年金満額の誤解その2「厚生年金にも満額(上限)はある!?」

厚生年金は原則、加入期間に比例しているが、60歳前半の老齢厚生年金の定額部分については、加入期間に一定の上限が設けられていることに注意

厚生年金は原則、加入期間に比例しているが、60歳前半の老齢厚生年金の定額部分については、加入期間に一定の上限が設けられていることに注意

国民年金を40年全て納付した場合に受け取れる老齢基礎年金額(満額)は、78万100円(平成28年度)です。

では、厚生年金に「満額」というものはあるのでしょうか? 答えは、「特に決まっていない」です。

厚生年金の額は「加入期間」と「加入期間の平均給料」によって決まります。加入期間には事実上の上限(70歳まで)がありますし、平均給料も上限(標準報酬月額62万円)が設定されていますので、青天井とはいきません。しかし、基本的には加入期間が長ければ長いほど、平均給料が高ければ高いほど年金額が増える仕組みとなっています。

60歳以降は厚生年金に加入しても国民年金は増えない!

国民年金の加入期間は20歳から60歳までの40年間で、全て保険料を納付していたら「満額」受け取れることになりますので、この40年間のうち、保険料の滞納もしくは免除期間があれば、その期間に応じて受け取れる年金額は減額されます。

そこで、60歳以降も年金制度に加入し続けて増やす仕組みがあります。それが「任意加入」と言われるものです。

このケースでも誤解が見受けられます。それが「60歳以降も会社員として厚生年金に加入しているから、任意加入は必要ない」というものです。

前のページでも書いたとおり、厚生年金に加入していることで、国民年金の保険料を納めたことになるのは「60歳まで」です。60歳以降厚生年金に加入し続けたとしても、国民年金(老齢基礎年金)の額は「増えない」のです。

したがって、60歳以降に厚生年金へ加入している人が、老齢基礎年金額を増やすには「別途、国民年金に任意加入しなければならない」ことになりますが、残念ながら厚生年金と任意加入の同時加入はできません。

ただ、厚生年金加入中でも、過去の国民年金の滞納期間や免除期間の納付は可能です。過去の国民年金の滞納や免除期間がある方は、納付することで増額が可能となります。

さて、「任意加入」できるのは、老齢基礎年金額の満額までです。満額を超えて更に増やすことはできません。これも注意が必要ですね。

これら様々な誤解を生んでしまう原因は、現在の年金制度が複雑すぎるため。この複雑さの改善に是非取り組んでほしいと思います。

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