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在職老齢年金制度の誤解を解消しよう!!

60歳以降、働きながら年金を受け取る場合、年金の全部又は一部がカットになる在職老齢年金制度ですが、制度についての誤解が結構多く見受けられます。この機会にいろんな誤解を解消しておきましょう。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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「在職老齢年金制度」の理解は必須!?

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在老のカットを計算する上で給与額とは、標準報酬月額と直近1年間に受け取った標準賞与の総額の12分の1。単なる月給とは違うことに注意。ちなみに標準報酬月額と標準賞与については社会保険独自の規定
最近は60歳以降も働き続ける方が増えてきていますし、「元気なうちは年齢にかかわらず働きたい」と思っておられる方も増えているようです。

働く理由は
■生きがい
も、もちろんあるのでしょうが、

■年金だけでは生活していくのに心許ない
■より余裕のある生活を送りたい
ため、働いている方が少なくないのが現状だと思います。

これから年金の給付水準は下がることはあっても、上がることは考えられない状況ですから、60歳代は「働きながら年金を受け取る」のがある意味当たり前になってくる(もう既になりつつあるかもしれませんが)と思われます。

そうなると、働きながら年金を受け取る際に適用される「在職老齢年金制度」についてしっかり理解しておきたいところです。

ただ、この「在職老齢年金制度」についての理解が足りなかったり、誤解をしているケースが少なくありません。

先輩の話を鵜呑みにしてはいけない!?

在職老齢年金について知ろうと思ったら、どうされますか?

まず、一番おススメするのが
■社会保険事務所や我々年金の専門家に問い合わせる

これが一番間違いがありませんね。

次に
■書籍やこのサイト等で調べる

これは社保事務所や専門家に問い合わせるよりも、手軽にできるメリットがある反面、一方的な情報ですから様々な疑問が出てきたときに解消することができにくい側面があります。

そして、気をつけないといけないのが、
■在老制度が適用されていた、若しくは適用されている先輩の体験談を聞く

このメリットは身近にいる経験者に聞ける手軽さがある反面、体験談が古い場合、今の制度とかけ離れているケースもあり注意が必要です。

在職老齢年金制度は、時代と共に細かなリニューアルを行なっています。

過去の制度を簡単に見てみると
■60歳前半のみが対象であった(60歳後半が対象となったのは平成14年以降で、現在は70歳以上でも対象)
■給与が一定額を超えると(標準報酬月額26万円以上)年金額にかかわらず全額支給停止されていた(現在は、給与と年金の合計が一定額を超えると年金の全部または一部カット)
■給与と年金が一定額を超えると、一律2割の年金カットがあった(現在は、一律2割カットはない)
■年金カットの対象となる給与にボーナスは含まれていなかった(現在はボーナスも含んだ額で給与を見る)
など

これらの変更が10年そこそこの期間で行なわれています。先輩の体験談がそのまま自分に当てはまるかどうかわからないので、参考程度に留めておいたほうが良いでしょう。

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