年金/専業主婦の年金(第三号被保険者)

公的年金は女性にお得な制度!?(2ページ目)

今回は公的年金の男女差について考えてみます。検証をすると、公的年金は2つの側面から、女性にとってお得な制度であることがわかりました。

和田 雅彦

和田 雅彦

年金 ガイド

年金の専門家である社会保険労務士資格を取得し独立開業。個別相談他、年金問題についての執筆、講演も多数。

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保険料に男女差はない。ということは?

前ページで、支給開始年齢における女性のアドバンテージを説明しましたが、公的年金にはさらなるアドバンテージがあります。

それは、(保険料に男女差がないことによる)費用対効果です。

女性は男性より一般的に平均寿命が長いことはご承知のとおりです。ということは、年金を受け取る期間(年数)において女性は男性よりも大きなアドバンテージがあることがわかります。

しかし、公的年金には保険料に男女差はありません。通常民間の個人年金で公的年金のような終身受取の商品については、保険料は男性より女性のほうが高く設定されています。なぜなら、平均寿命が長い女性のほうが、総受取額が多くなるからです。

「受取額が多い=保険料が高い」。この当たり前の方式が採用されていないのが、公的年金なのです。

老齢基礎年金の受け取り額は1.5倍の差

受け取り期間の差がどれだけ総受取額に差があるか、国民年金から支給される老齢基礎年金について考えてみましょう。

現在老齢基礎年金は65歳から満額ですと約80万円が支給されます。

平均寿命を考えると、
  • 男性 79歳
  • 女性 86歳
ですから、大まかにいうと、受け取り期間は男性が14年間、女性が21年間ということになります。これに年額80万円をかけると総受取額を算出できます。つまり、
  • 男性 1120万円
  • 女性 1680万円
と、女性は男性の約1.5倍受け取ることができるわけです。総受取額が1.5倍なのに男女同じ保険料の公的年金って、やはり女性がお得な制度だといえると思います。

厚生年金の支給開始年齢は、いずれ男女の格差はなくなりますが、費用対効果の差はこれからも当分続きそうです。

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