社会のレベルにより評価は変わる・・・
たとえば、戦後間もない頃であれば、公害問題に気を配らずに利益を上げることだけを考える企業でも、貧しい社会では公害問題よりも、まず生産性を上げることの方が重要だったので、“煙モクモク”でも、さほど問題にはなりませんでした。
ところが、モノがひととおり行き渡り、社会が豊かになってくると、「公害を引き起こす企業はもっての他!」と、私達は消費者としても投資家としても、公害を出す企業を評価しなくなりました。
つまり、企業に対する評価は、社会の成熟度に応じて変わっていくというわけです。
「生産」「消費」そして・・・
経済学のテキストなどには、「生産」と「消費」は出てきますが、「廃棄」は出てきません。きっと、捨てる場所は無限にあるという想定なのでしょう。手作りの時代であれば、捨てる場所を考える必要もありませんでした。ところが、大量生産、大量消費の時代になると、これまでの経済学のテキストには無い「廃棄」までセットで考える必要が出てきています。
SRIファンドの行方・・・
私達が、消費者として、また投資家として、「環境に配慮しているかどうか」「社会責任を果たしているか」といった観点で企業を評価する「成熟した社会」になってい“れば”、長期的には、SRIファンドへの投資は利益が期待できるといえるでしょう。むしろ、社会的責任を果たしていない企業の株価が上がりにくい(=もしくは、淘汰されていく)という状況になるのかもしれません。