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08年に浮き彫りになったREITの弱点(2ページ目)

2008年にはREITが初の破綻。上場7年目にしてREITの弱点が浮き彫りとなりました。しかし、REITの弱点が改善されれば投資口価格が回復していく可能性は高いでしょう。今後の制度改定や支援策は?

久谷 真理子

久谷 真理子

住宅購入のお金入門 ガイド

相続・不動産のコンサルティングから実行まで幅広くサポート。執筆やセミナーなど多数。

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REITを救え! 今後の動きはどうなる?

REIT支援策は?
    REIT支援策は?
これらの問題点が浮き彫りになった結果、今後は徐々に制度の改定や、REITに対する支援策が出てくると考えられます。具体的な動きとしては、以下のような動きがあります。
  • 政府がREIT向けに、貸し渋り対応の融資として、日本政策金融公庫の「危機対応円滑業務」を活用した運転資金不足に対応する低利融資制度を設ける。
  • 国土交通省では、時価総額等が異なる様々なREITが存在することから、規模が小さく投資家からの評価が低い銘柄についても合併等を通じて安定した成長が図れるよう、合併手続き等の環境整備について、検討会議をスタート。
ニューシティ・レジデンス投資法人の直接の破綻原因は、借り換えに複数行のうちの一つの銀行が応じなかったためと言われています。上記のような制度があれば、助かったかもしれません。

REITは本来、不動産の稼動状況が適正であれば、価格も比較的安定しているハズ。現在のように、NAV(純資産価値)倍率がほとんどのREITで1倍を切っている状態は異常です。1倍を切っているということは、REITの投資口をすべて買い取っても不動産をすべて売却したら、お釣りがくるということ。現在の投資口価格には、制度上の弱点や破綻リスクが織り込まれていると感じます。REITの弱点が、制度の充実などによって改善されれば、価格も少しずつ回復していくでしょう。

【関連リンク】
J-REIT、相次ぐスポンサー変更とその背景(All About 不動産投資・REIT入門)
REITが売られすぎって本当? (All About 不動産投資・REIT入門)
不動産投資の環境
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