機構融資(旧住宅金融公庫融資)を受けた人が契約

「優良物件」のみが契約できることもあり、安くなる
「優良物件」のみが契約できることもあり、安くなる
特殊法人改革を経て、現在は住宅金融支援機構(以下、機構)に変わっている旧住宅金融公庫。ここで住宅ローンを組み、返済を続けている人は少なくありません。そして、その人たちが原則として契約することになっていたのが「特約火災保険(住宅金融支援機構特約火災保険)」です。

特約火災保険は、損保19社による「共同保険」で、各社がそれぞれの引受割合に応じて、保険金を支払う責任を負担しています。ただし、事務手続き等は幹事会社である損保ジャパンが一括で行っているので、保険証券の写しや各種のお知らせについては、損保ジャパンから届くしくみになっています。     

さて、特約火災保険の最大のメリットは、安い保険料です。補償内容は住宅総合保険とほぼ同水準ですが、保険料は平均でその5割程度。保険料が安い理由は以下のとおりいくつかあります。

まず、通常の火災保険のように、代理店を通じて契約しない点があげられます。機構融資窓口となる金融機関が直接契約手続きを行う、特約火災保険はいわば直販商品なのです。他の保険商品のように募集を行うわけではないので、販売促進費もかからず事務コストが少なくて済み、その分保険料が安くなるわけです。

また、契約する建物は機構融資を受ける優良物件のみですから、そもそも保険料も安くなっています。このようにそもそも保険料の安い特約火災保険を、ローン期間に合わせて30年などの長期契約にすると保険料の割引も適用されるため、さらに保険料が抑えられる仕組みになっています。

「フラット35」でも特約火災保険の契約はできない

機構の直接融資は現在、財形住宅融資や災害復興融資など、政策的には重要でも民間金融機関では対応が困難な融資に限定されていますから、これから特約火災保険の契約ができる人は残念ながら限られています。民間住宅ローンはもとより、機構が民間と提携して提供される「フラット35」でも、特約火災保険の契約をすることはできません。

なお、特約火災保険には、機構第一順位の「質権」が設定されます。その場合、契約した火災保険の証券は質権者である機構に送付され、契約者の手元には保険証券の写しが送られています。

質権が設定されている契約では、万が一、火災や自然災害などの被害が発生し、保険金が支払われた場合、契約者自身が受け取れずに、機構の融資金の返済に優先的に回ることがあります。ただ、ローンが完済すれば質権は抹消され、保険金の受取りにも影響はありません。

以前は民間金融機関の住宅ローン融資でも、火災保険に質権が付けられていたのですが、現在では少なくなっています。
住宅金融支援機構が現在行っている直接融資
住宅金融支援機構が2009年8月現在行っている直接融資