マーケティング/マーケティング事例

「ONE PIECE」に学ぶ人をワクワクさせ続ける方法(2ページ目)

昨年末に公開された「ONE PIECE FILM Z」がわずか1ヶ月で60億円の興行収入に達したことが発表されました。「ONE PIECE」は1997年に連載が開始され、今や国民的漫画といっても過言ではない地位を築いていますが、果たしてなぜ多くの人々を魅了し続けることができるのでしょうか?今回は「ONE PIECE」の魅力を分析し、マーケティングを成功させるための重要なポイントについて検証していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

 

 「ONE PIECE」から紐解く人をワクワクさせ続ける3つの秘訣とは?
 

マーケティングで人をワクワクさせ続けよう!

マーケティングでも人をワクワクさせ続けることが成功の秘訣

この魅力ある「ONE PIECE」を分析すると、長い間人を魅了し続けるための3つの秘訣が浮き彫りになってきます。

まず一つ目として最も重要なことは『常に新鮮であること』でしょう。

人を魅了し続けるには、常に新たな驚きを提供することが重要になってきます。当然のことですが、わかりきったことでは人はワクワクしないものです。

人は「次にどうなるんだろう?」という期待があり、それを超え続けることによって魅了されるものなのです。

たとえば、「ONE PIECE」では主人公自体が成長や進化を遂げたり、新たなキャラクターが加わったりすることにより、予想もしなかったストーリーが展開され、手に汗を握りながらこの先を知りたいという感情が抑えきれなくなるのです。

続いて、二つ目の要因として『相手の期待をよく知っていること』が挙げられます。

ただ単に新しいだけでは、人をワクワクさせ続けることはできません。新しさに意味を持たせる必要があるのです。

お伝えしたように、人を魅了し続けるためには、相手の期待をいい意味で裏切り続ける新鮮味が重要になってきます。そのためには「相手が何を望んでいるのか?」、「どのようなものであれば喜ぶか?」ということを熟知したうえで、それを常に上回るものを生み出すことにチャレンジし続けなければならないというわけです。

いくら新鮮なアイデアであっても、それが相手にとって価値のあるものでなければ何らワクワクさせることはないということなのです。

たとえば、「ONE PIECE」であれば、“夢”、“冒険”、“困難な状況にめげずに立ち向かう勇気”、“仲間との出会い”、“絆”、“ユーモア”などといったキーワードが読者の求めるものと想定されます。そして、その中から常に期待を超えるストーリーを具体的に描いていくことによって、読者を魅了し続けることができるようになるのです。

それから最後の三つ目の秘訣として、『ワクワクさせ続けるための長期的なストーリーを事前に決めておくこと』が挙げられます。

いくら相手を知って新しいものを提供し続けたとしても、行き当たりばったりでは失敗するリスクも高くなります。

事前にすべてを細かく決める必要はありませんが、おおよそのストーリーを練り込んでおかねばなりません。

その上で細かなことは、その時の流れや状況に応じて臨機応変に対応すればいいのです。

たとえば、「ONE PIECE」では長期的に練り込まれたストーリーが展開されています。セリフの中に後々起こる出来事のヒントを散りばめるなど、かなり時間をかけて伏線を張った後で物語を急展開させることによって、読者はストーリーに引き込まれることになるのです。


人をずっとワクワクさせ続けることは容易なことではありません。ただ、「ONE PIECE」がいつまでも多くの人を魅了し続ける秘密を解き明かしていけば、きっと私達も人をワクワクさせ続ける“宝箱”を見つけ、マーケティングを成功に導くことができるのではないでしょうか。
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