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いよいよ始まる「無年金世代」第1号、その対策は?(2ページ目)

退職金や貯金の取り崩し、生命保険の活用などの方法がとられてきましたが、平成25年度に60歳を迎える男性は年金支給開始年齢が61歳からとなり、最終的には65歳まで年金を受け取ることができなくなります。そんな無年金期間にどう備えるかを考えてみましょう。

綱川 揚佐

執筆者:綱川 揚佐

年金ガイド

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やっぱり年金を60歳からもらいたい! 方法はあるの?

どうしても年金を60歳からもらいたい場合は、「繰上げ支給」という方法があります。これまでも原則65歳から受給開始となる老齢基礎年金については、受給開始時期を早める(繰り上げる)ことができました。年金支給開始年齢引き上げに伴い、厚生年金でも繰上げ支給が可能となります。

ただし繰上げ支給の場合、繰り上げた月数に応じて年金が本来の受給額よりも減額され、それが一生続きます。減額は1ヵ月繰り上げるごとに0.5%。1年早めれば6%、5年早めれば30%減額になります。減額の他にもいくつかデメリットがありますので、注意が必要です。

また、老齢厚生年金の繰上げ支給を受けると、65歳から支給開始となる老齢基礎年金も同時に繰上げ支給となります。支給開始年齢が61歳の場合、年金を60歳からもらうには厚生年金部分を1年繰り上げることになりますが、老齢基礎年金も60歳から(5年繰り上げること)となり、老齢厚生年金は6%の減額で済みますが、老齢基礎年金は30%の減額となってしまうのです。

なお、65歳前には年金が全く支給されない人(男性は昭和36年4月2日以後生まれ、女性は5年遅れ)も、繰上げ支給を受けることができます。
厚生年金繰上げ支給のイメージ

※画像はクリックで拡大します※ 厚生年金繰上げ支給のイメージ


長い間厚生年金に入った人は普通と違うと聞いたけど……

厚生年金に44年以上加入した人が退職した場合、65歳まで、通常の人が受給する老齢厚生年金(「報酬比例部分」)と同時に「定額部分」も受給できるという特例があります。

この場合、老齢厚生年金の支給開始年齢から定額部分も支給開始となります。60歳から年金をもらうためには、老齢厚生年金の繰上げ支給と同時に老齢基礎年金の一部分を繰り上げる方法(「一部繰上げ」)で行います。どれだけ繰り上げるかは支給開始年齢と繰り上げる期間によって決まります。65歳まで定額部分があり、老齢基礎年金のうち繰り上げ減額されない部分があるので、受給額は通常の人より有利になります。


以上、無年金期間にどのように備えるかを考えてみました。年金のみで生活を維持するのは今後ますます困難となりそうです。60歳以降の雇用確保措置が拡充されることもあり、ご自身の体調が良く、働く意思がある限りは、60歳以降も引き続き働いて収入を得るのが生活を安定させる一番の近道と言えるのではないでしょうか。


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