住宅ローン控除の書類の書き方をチェック

住宅ローン控除の節税メリットを受けるためには、給与所得者の場合、適用1年目は確定申告をしなくてはなりません。そうすれば、2年目以降は勤務先での年末調整で処理が完了します(金融機関からの借入金残高証明書や、税務署から発行された給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書を勤務先へ提出)。

【参考】2年目以降の住宅ローン控除 年末調整の書き方はコレ

今回は、給与所得者が住宅ローン控除の適用を受ける場合の必要書類、確定申告書の書き方や手順について解説します。

はじめに住宅ローン控除の必要書類を揃えよう

給与所得者の場合であれば、住宅ローン控除の申告書用紙(確定申告書A様式)を記入する前に、以下の書類を準備する必要があります。

□源泉徴収票
□土地・建物の売買契約書(コピーでも可)
□土地・建物の登記簿謄本
□金融機関等からの借入金残高証明書
□住民票

これらの書類にはその人の所得状況、住宅ローン控除前の所得税額、家屋や土地の購入価額、住宅ローンの年末残高、居住開始年月日といったものが記載されています。

【参考】住宅ローン控除に必要な書類と見方のポイント

住宅ローン控除の確定申告書は3ステップで記入

住宅ローン控除の確定申告書類は、下記の順序で記入を進めるとよいでしょう。
  • ステップ1:(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(以下、計算明細書)
  • ステップ2:確定申告書(第二表)
  • ステップ3:確定申告書(第一表)
特に申告書(第一表)は、住宅ローン控除の申告書を作成する際、最終的なとりまとめとなる書類です。計算明細書で住宅ローン控除の金額が判明していないと完成しないのです。

なお、これから解説する住宅ローン控除の確定申告書類の書き方については、以下の国税太郎さんのケースに沿って説明します。

※記入例の画像にある○の数字は、実際の源泉徴収票や申告書には入っていません。

●国税太郎さんのケース
  • 源泉徴収票より:年収680万円 所得金額492万円 / 住宅ローン控除前の所得税額14万8100円
  • 売買契約書より:家屋や土地の購入価額3000万円
  • 土地・建物の登記簿謄本より:申告者本人の持ち分
  • 金融機関等からの借入金残高証明書より:住宅ローンの年末残高1000万円
  • 住民票より:居住開始年月日 平成27年10月31日
源泉徴収票からは所得の状況等が読み取れます(出典:国税庁記載例より)

源泉徴収票からは所得の状況等が読み取れます(出典:国税庁記載例より)


ステップ1:計算明細書に記入

●建物や土地の購入費用はここに書く
建物や土地の購入費用は明細書に書きます(出典:国税庁記載例より)

建物や土地の購入費用は明細書に書きます(出典:国税庁記載例より)

まずは、売買契約書や登記簿謄本等より、計算明細書の 「2.新築又は購入した家屋等に係る事項」、「4.家屋や土地等の取得対価の額」が記載できます。

1.住所および氏名
その名のとおり、住所や電話番号、氏名を記入します。

2. 新築又は購入した家屋等に係る事項
国税太郎さんのケースでは、家屋や土地の購入価額について以下の通り記入します。
  • 「居住開始年月日」 平成27年10月31日
  • 「家屋に関する事項」 1500万円
  • 「土地等に関する事項」の購入価額 1500万円
  • 「総(床)面積」 家屋に関する事項 100平米 / 土地に関する事項 100平米
  • 「うち居住用部分の(床)面積」 同上
また、国税太郎さんは共有持ち分がなく、本人の持ち分が100%であることが分かります。上記の金額をそのまま記入しましょう。

3.増改築等をした部分に係る事項
増改築等でなければ、この欄への記入は省略できます。

4. 家屋や土地等の取得対価の額
・「あなたの持分に係る取得対価の額等」
A家屋 1500万円 / B土地等 1500万円 / 合計3000万円

なお共有持ち分がある場合は、その持ち分に応じて、家屋や土地の取得対価の額が家屋や土地の購入価額より少なくなります。

●住宅ローンの年末残高はここに書く
金融機関等からの借入金残高証明書等からの情報を「5.居住用部分の家屋又は土地等に係る住宅借入金等の年末残高」に記載します。
 
5. 居住用部分の家屋又は土地等に係る住宅借入金等の年末残高
  • 「新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高」 1000万円
  • 「連帯債務に係るあなたの負担割合」 100%
  • 「住宅借入金等の年末残高」 1000万円
  • 家屋や土地等の取得対価の額と住宅借入金等の年末残高のいずれか少ない方の金額 1000万円
家屋や土地の取得の対価のうち借入がどの程度なのかを記載します(出典:国税庁記載例より)

家屋や土地の取得の対価のうち借入がどの程度なのかを記載します(出典:国税庁記載例より)

なお、妻も連帯債務者として借入をしている場合には、「連帯債務に係るあなたの負担割合」のパーセンテージが記載され、それに応じ、実際の住宅ローン残高より、住宅借入金等の年末残高のほうが少なくなります。

【参考】連帯債務の場合の住宅ローン控除

また、住宅ローン控除の対象要件は「住宅取得のための住宅ローン」です。新築または購入した家屋にかかる事項と、住宅借入金等の年末残高のいずれか少ないほうの金額を計算明細書に記入する、というのもポイントです。

例えば、土地・建物の購入価額3000万円の物件に対して住宅ローンの年末残高が3500万円あったとしても、3500万円全額がローン控除の対象となるのではなく、3000万円までが住宅ローン控除の対象となるのです。

また、事業所兼住宅、あるいは店舗兼住宅というような場合には、居住用に応じた割合しかローン控除の対象とならないので、居住用割合という箇所にパーセンテージが記載されることになります。
 

ステップ2:確定申告書(第二表)に記入

ここまできたら、源泉徴収票の要素を一つひとつ丁寧に転記したものに、住宅ローン控除特有のものを書き加えるだけとなります。
  • 「特例適用条文等」(申告書(第二表)の右下):平成27年10月31日居住開始
住民票から居住開始年月日を記載します(出典:国税庁記載例より)

住民票から居住開始年月日を記載します(出典:国税庁記載例より)


このように、居住開始年月を第二表の特例適用条文等の欄に記載します。居住開始の時期によって住宅ローン控除の制度そのものが相違するからです。

ステップ3:復興特別所得税を考慮し、確定申告書(第一表)に記入

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除(申告書(第一表)の右上):10万円
国税太郎さんの場合、家屋や土地等の取得対価の額と、住宅借入金等の年末残高のいずれか少ないほうの金額が1000万円となるので、ローン控除の計算は下記の通りとなります。
  • 1000万円×1%=10万円
なお、本来の税額14万5100円からこの10万円を差し引いた額に2.1%をかけると、復興特別所得税額(この記載例では947円)が算定されます。したがって、正しい税額は4万6047円です。

すでに源泉徴収票で14万8100円が差し引かれているので、その差額である
  • 4万6047円ー14万8100円=△10万2053円
が、還付される税額となります。
復興特別税にも注意しながら正しく記載しましょう(出典:国税庁記載例より)

復興特別税にも注意しながら正しく記載しましょう(出典:国税庁記載例より)

「還付される税金の受取場所」欄には、申告者本人の口座を正しく記載しましょう。申告者本人の口座でないと後日、税務署から訂正をもとめられますので注意してください。

住宅ローン控除を初めて適用される人は確定申告提出が必須です。面倒に思うかもしれませんが、マニュアルに沿って書類を作成すればOK。ぜひチャレンジしてみてください。

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