不眠・睡眠障害/歯ぎしり・寝言・金縛り・悪夢

「ただの寝言」と「病的な寝言」の見分け方・対処法

人の寝言を聞くのはちょっと面白いものですが、自分の寝言が人に聞かれると考えると心配なもの。寝言は、特に心配ない寝言と、病気の症状として出る寝言の2つに分けられます。寝言が増える睡眠障害の場合、隣で眠っている人がひどい目にあうこともあるので、しっかり見極める必要があります。

この記事の担当ガイド

日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医

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心配しなくてよい寝言

寝言

それほどひどくない寝言は、心配しなくても大丈夫です

隣で眠っている人があまりにハッキリと話すので、起きていると思って返事をしたら実は寝言だった……という経験はありませんか? あるいは、あまりにも奇想天外な寝言を聞いて、爆笑してしまったことはないでしょうか?

いろいろなエピソードを生んでくれる寝言ですが、程度が激しかったり、寝ぼけて暴力を伴ってしまうような場合は、一緒に眠っている人も迷惑をこうむります。また、「ひどい寝言だったよ」と言われた本人も、恥ずかしい思いをして落ち込んでしまうこともあります。

特に問題がない寝言は、子どものころに多くみられますが、成長とともにだんだんと回数や長さが減り、25歳を過ぎるとほとんどなくなります。大人にみられる寝言は、女性よりも男性に多く、さらに家系的に寝言をよくいう家族というのもあるようです。

また、夢を見ているときに寝言を言うことが多い、とは限りません。夢を見ていることが多いレム睡眠のときですら、寝言を言っているときに夢を見ている割合は8割程度と考えられています。眠りの浅いノンレム睡眠(脳の睡眠)では半分程度、深いノンレム睡眠ではわずか2割しかありません。

寝言の内容は睡眠の種類によって違ってきます。体が休んで脳が活動しているレム睡眠での寝言は、感情豊かな内容が多く、夢の内容と関係深いものがよく聞かれます。一方、脳が休んでいるノンレム睡眠のときには、日常生活での出来事に関するものが多く、夢との関連はあまり見られないようです。奇想天外な寝言は、レム睡眠のときに多く聞かれるのかもしれませんね。

病気が原因の寝言

レム睡眠行動障害

眠りながら暴力を振るうときは、早めに受診をしましょう

上記の心配のない寝言とは異なり、病気が原因で起きる寝言もあります。寝言の原因となることがある主な病気や背景は以下の通りです。

■高熱を伴う病気
普段は寝言を言わない人でも、インフルエンザなどで高い熱が出ると寝言を言うことがあります。ただしこの中には、意識がもうろうとした状態で話す「うわごと」も含まれています。

■日常的なストレス・外傷後ストレス障害
ストレスも寝言の原因になります。強いストレスにさらされると、寝言の回数や程度が増えます。死ぬほどの事故や事件に巻き込まれたときに起こる「外傷後ストレス障害」ではより深刻で、悪夢を見てうなされることがよくあります。

■睡眠時無呼吸症候群
中高年に多い「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言がみられます。うめき声やあえぎ声のことが多く、はっきりした単語はあまり聞かれません。寝言にいびきや呼吸停止を伴うときは、この病気が疑われます。

■レム睡眠行動障害
聞きなれない病気ですが、「レム睡眠行動障害」でも寝言をよく言います。この病気は、夢の中での動きをそのまま現実世界でもやってしまうもので、初老期以降の男性が時々かかります。本人や隣で寝ている人がケガをすることがありますから、中高年になって寝言が増えるようなら、睡眠障害の専門医療機関で相談してください。

■ナルコレプシー
ナルコプシーの患者さんにも、寝言がよく聞かれます。寝言の内容は感情的なものが多く、しばしば悪夢を伴います。ナルコレプシーは若い頃に発症し、笑ったり怒ったりすると急に体の力が抜けたり(情動脱力発作)、寝入りばなに幻覚を見みたり(入眠時幻覚)、金縛りにあったり(睡眠麻痺)します。

■夜驚症
子どもの寝言で多いのが、夜驚症です。寝言というより、叫び声や悲鳴をあげて眼を覚まします。同時に、脈拍が速くなったり呼吸が荒くなったりなど、自律神経の症状も見られます。

寝言の対処法

子どもの場合は、夜驚症であっても思春期までに多くの場合が自然とよくなるので、あわてず優しく接してあげてください。

成人の場合、寝言の原因がはっきりしているなら、まず、それを取り除きます。強いストレスから寝言が増えていると考えられるなら、ストレスを減らしたり、ストレスにうまく対処する方法を学びましょう。また、さまざまな薬の副作用にも、寝言があります。抗うつ薬や気分安定薬、抗精神病薬、抗パーキンソン病薬、心不全治療薬、胃潰瘍治療薬、抗腫瘍薬、抗結核薬などを飲んでいて寝言が増えたような場合は、主治医に相談してみてください。

寝言のほかにも何か症状を伴うときは、病気が原因の寝言の可能性があります。寝言や他の症状がひどくなるようなら、早めに睡眠障害の専門医の診察を受けることをお勧めします。

【関連リンク】
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更新日:2011年08月29日

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