睡眠時無呼吸症候群(SAS)

更新日:2009年06月18日

睡眠時無呼吸症候群の原因とメカニズム

イビキをかく人で、睡眠時間は十分とったはずなのにどうも寝足りない、と感じている人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。2003年の山陽新幹線の事故以来、有名になったこの病気のメカニズムを、タイプ別にご紹介します。

100人に1~2人がかかっている睡眠時無呼吸症候群

いびきが激しい人は、要注意です

自分ではぐっすり眠れているつもりでも、睡眠の質が低くなる病気があります

2003年2月26日、乗客約800人を乗せ時速270kmで走行中の山陽新幹線ひかり号運転手が眠り込んでしまい、岡山駅を通り過ぎようとした事件がありました。

その後の調査で、これが単なる居眠り運転ではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気のせいだったと分かり、この病気が広く知られるようになりました。

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている時に呼吸が止まる「無呼吸」症状や、呼吸の回数が減る「低呼吸」が原因で、睡眠障害が起こってしまう病気です。実際は睡眠の質が下がっている一方で、診察に訪れる患者さんの多くが自分の睡眠不足を認識しておらず、日中、知らないうちに居眠りしてしまうことも問題です。

日本での調査によると、睡眠中に無呼吸や低呼吸の症状があり、日中、強い眠気を訴えている人は、男性3.3%、女性0.5%、合わせると国民の1.7%と報告されています。このことから日本には睡眠時無呼吸症候群の人が200万人もいると推定されています。

性別では、男性は女性の3~5倍も睡眠時無呼吸症候群になりやすく、しかも軽症例に比べて重症になると男女比が拡大します。男性では患者さんの半数以上を40~50歳代が占め、女性では閉経後に急増するのも特徴です。
 

最も多いのは気道閉塞タイプ

睡眠時無呼吸症候群は、そのタイプにより3つに分類されています。

閉塞型
鼻あるいは口から肺に至るまでの空気の通り道である気道の一部が、狭くなったり詰まったりして、一時的に呼吸できなくなるタイプ。外来で診る患者さんの中でも、このタイプが最も多いです。

中枢型
脳にある呼吸中枢の働きに異常が起こり、呼吸に関する筋肉に指令が届かなくなって呼吸できなくなるタイプ。脳血管障害やうっ血性心不全、高山病などが原因の睡眠時無呼吸症候群もこのタイプに含まれます。

■ 混合型
1回の無呼吸発作の中で、中枢型に引き続いて閉塞型が起こるタイプ。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、生理的な原因と鼻や喉の形態異常の2つが重なり発症します。眠ると筋肉の緊張が解け、体がグッタリとします。喉の周りや舌の筋肉も例外ではなく、起きている時に比べて睡眠中は気道が狭くなりがちです。また、仰向けで寝ると重力の関係で、舌がノドに落ち込みやすくなります。

健康な人なら、睡眠中に起こる生理的な変化だけでは軽いイビキをかく程度でしかありません。しかし、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの鼻の病気や扁桃腺の肥大、肥満、顎が小さいなど形の異常があると、気道が閉塞しやすくなり無呼吸に陥ってしまうのです。
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坪田 聡

日本医師会、日本睡眠学会、日本コーチ協会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計…

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