ビジネスマナー/ビジネスでの慶弔マナー

会社関係の弔事(葬式・通夜)マナー 弔電や服装は?

思いがけず、会社関係、たとえば社員の家族や取引先の社長や担当者の訃報を受けた時の、弔電の出し方、通夜・葬儀での服装マナー、香典の出し方などを紹介します。地域や宗教によって葬儀のしきたりは異なります。ここでは一般的な慣習を紹介します。

美月 あきこ

執筆者:美月 あきこ

ビジネスマナーガイド

 

会社関係で葬式・通夜の連絡を受けた際に確認すべきこと

会社関係の弔事(葬式・通夜)マナー 弔電や服装を解説

弔辞はいつも突然のことで準備できていないもの。洋服や持ち物、メイクは色味を控え、アクセサリー類もすべて取り除きます。

思いがけず、社員の家族や得意先の社長や担当者の訃報を受けた時は、落ち着いて必要な情報を把握し、まずは上司に報告し、指示に従ってください。

確認、報告する内容は、
  • 故人の氏名
  • いつ、どこで、亡くなった理由
  • 年齢
  • 喪主の氏名・故人との関係
  • 通夜、葬儀・告別式の日時場所
  • 献花・供物などの可否
です。

葬儀のしきたりは、地域、故人や家族が信仰する宗教によって大きく異なります。そのためここで紹介するのは、あくまでも一般的な慣習に沿ったものであることをご了承ください。
 

弔電はお通夜の当日までに出す

お通夜の当日や遅くとも告別式の開式前までには、通夜、葬儀・告別式が開かれる斎場(寺院、会館など含む)に届くようにしましょう。電話であればNTTの局番なし「115」番、インターネットでも送ることができます。
 

お通夜の服装:仕事関係の参列者は喪服が一般的

そもそもお通夜は「急いでかけつける」もの。服装は喪服でなくても失礼にあたりません。色も黒でなく、濃紺や濃いグレーであれば問題ありません。地域によっては、お通夜に喪服を着ていくことがかえって失礼にあたることもあります。その理由は、準備していたかのように見られるから、というものです。

ただし、近年は葬儀・告別式は家族や親しい人だけで行い、仕事の関係者はお通夜だけに参列する傾向が強くなっています。その場合は、喪服で参列しても失礼ではありません。

首都圏では葬儀斎場や火葬場の予約がすぐに取れないため、亡くなられて数日後にお通夜が行われることがあります。その場合も喪服で参列することになります。
 

お通夜・告別式の服装:アクセサリーやバッグにも注意

バッグの色は黒に限ります。さらに、光沢素材やデザインが派手なものは避けましょう。女性のアクセサリーは、白や黒のパールや黒珊瑚のネックレスやブローチが無難です。パールは一連のものとし、二連は避けます。

男性は金の腕時計をしないように気をつけます。靴も黒系で地味なもので茶系は避けるのが無難です。エナメルやスエード素材、目立つ金具がついている靴も避けてください。

冬場の場合、コートの色はやはり黒・紺・グレーがよいでしょう。いくら色が地味でも毛皮や革のコートはNGです。またカジュアルなデザインのコートやダウンジャケットなどの着用も控えましょう。

夏場の場合、透けた素材やノースリーブ、ミニスカート、肌の露出が多いキャミソールなどの服装はNGです。

派手なメイクはNGですが、逆にノーメイクもよくありません。長い髪はシンプルにまとめ、目立つネイルアートは必ず落としましょう。男性のシャツは、色柄のついていない白無地のシャツを選んでください。
 

葬儀のお手伝いをする場合

勤めている会社の社長や上司の家族が亡くなった際には、通夜や告別式の手伝いに呼ばれるケースがあります。受付や駐車場の整理、式場への誘導などが主な仕事になりますので、進んで協力しましょう。

現場では、人前でスマホを操作したり、駐車場の陰で煙草を吸ったりしないように注意します。場所柄、笑顔を見せることもやめましょう。参列者や遺族から「礼儀を知らない社員だ」といったクレームが届きかねません。
 

香典の表書きはどう書く?

香典袋は薄墨で表書きをするのがマナーです。薄墨には「涙で字が薄れてしまった」という意味が込められています。

水引の上中央に「御香典」「御仏前」などの表書きを書きます(最近は印刷してある場合は大半です)。

氏名は水引の下中央に表書きよりも少し小さな文字で書きます。

裏面には、下段に差出人の住所と金額を書きます。中包みがある場合は、住所や金額は中包みに記入し、裏面には何も書かないで大丈夫です。
 

香典の金額の相場

専門機関のデータによると、仕事関係では3000円、5000円、1万円のいずれかが相場となっています。お付き合いの程度によって異なりますが、5000円以上を目安にしたほうがよいでしょう。なお、香典の金額には4と9のつく額は避けてください。
 

お焼香は役職の上位者からが基本

社内から複数の参列者がいる場合、受付・焼香の順は、役職上位の人からになります。

焼香の形式には立礼焼香と座礼焼香があり、お香の種類も抹香と線香があります。回数も宗教や宗派によって変わりますが、通常は2~3回。会葬者が多い場合は1回の場合もあるので、現場で対応してください。

お焼香の手順は、

  1. 両側の人に会釈をして、焼香台へ。遺族、僧侶に一礼した後、遺影にも一礼する。右手の親指、人さし指、中指で抹香をひとつまみして、横にある香炉へ静かに落とし、くべる。
  2. これを2~3回行ない、合掌・礼拝したら2歩後退して、一礼して下がる。
 

神式・玉串奉奠の仕方

神式の玉串奉奠(たまぐしほうてん)は仏式の焼香にあたるもので、神官から渡される玉串(榊の枝)を霊前に供える儀式です。手順は、

  1. 神官から渡された玉串を受け取って一礼する。この際、右手が根元、左手に葉が来るように持つ。そのまま祭壇に進み、玉串を持ち上げて一礼。玉串の根元が自分の方に来るように右へ90度回し、次に左手を枝の方に右手を葉に持ち替えてさらに右へ180度回す。
  2. 根元を霊前に向けて供える。その後、二礼・二拍手(音は立てず忍び手で)一礼する。最後に神官と遺族に一礼し、下がる。
 

キリスト教式・献花の仕方

仏式の焼香のかわりに、キリスト教では献花が行われます。カーネーションなど茎が長く白い花を献花台に置きます。手順は、

  1. 花を右に茎が左に来るよう受け取る。献花台の前で一礼、花が手前に来るように右に90度回す。
  2. 茎が霊前に向くよう、下から添えるように持った花を献花台へ供える。遺影に一礼または黙祷をして、牧師または神父(キリスト教の場合)と遺族に一礼して下がる。

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