療養食・食事療法/腎臓病・痛風の療養食・食事療法・透析食

痛風と食生活の関わり(2ページ目)

かつて「ぜいたく病」と呼ばれた痛風は、今や国民病の一つとなっています。特に夏は汗をよくかいて尿酸値があがることで痛風発作が起きやすい時期。痛風と食事の関わり、予防するための食生活についてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

食事からの摂取するプリン体の影響は少ない?

煮干し
煮干しにもプリン体は含まれていますし、煮干しからとった出しにもプリン体が溶け出ています。
痛風の予防・改善は、これまで食事のプリン体の摂取を減らすようにと言われていましたが、最近では変化しています。というのは、プリン体は体内で多く作られ、肝臓で尿酸になります。食べ物や飲み物によって作られる尿酸は、全体のおよそ4分の1で、食事からの影響はあまり大きいものではないと言われています。また厳しく制限しすぎて栄養不足になる等も懸念されます。

そのため現在では、高尿酸値症の人は痛風になる前に薬で尿酸値をコントロールしたり、食事指導では以前ほど厳しく食事制限はされず、食べすぎ飲み過ぎは控えましょうという指導になっています。ただ尿酸は水に溶けにくく排泄量が少ないことから、大量にプリン体を摂取し続ければやはり尿酸は増えますから、食品中のプリン体もまったく無視はできません。食品から取入れるプリン体の総量は、「1日400mg」なので、プリン体が多いもの,少ないものなどを大まかに頭にインプットしておいて、とりすぎないようにバランスを図りましょう。

食品100g中に含まれるプリン体量
極めて多い (300mg~) 鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、鰹節、煮干し、干し椎茸
多い (200~300mg) 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物
少ない (50~100mg) ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー
極めて少ない (~50mg) コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ
(日本痛風・核酸代謝学会 「高尿酸血症・痛風のガイドライン」より)

だしの効いた汁物には注意

プリン体の少ない野菜や海草類などは、低カロリーで食物繊維も多く、ウエイトコントロールには役立ちますから、積極的に食べましょう。あまり難しく考えずに、魚の内臓や卵、レバー類を除くだけでも、プリン体の量は減少します。

またプリン体は、水溶性なので、調理すると水中に溶け出します。肉や魚は茹で汁まで飲まなければプリン体を減らせます。煮干し、かつお節、干ししいたけを使った出し汁、ラーメンのスープや肉汁にも、プリン体が溶け出していますから、気をつけてください。

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