マーケティング/マーケティング事例

ボジョレヌーボー解禁!マーケティング視点で探る意義(3ページ目)

今年もボジョレヌーボーの解禁の季節がやってきました。でも、なぜ解禁日があるか不思議に思ったことはありませんか?その解禁日の秘密を解き明かすと、意外なマーケティングの事実が浮かび上がりました・・・

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

解禁日がボジョレヌーボーの爆発的なヒットを呼んだ!?

ボジョレヌーボー
人は飲むことを禁止されると逆に興味を抱くもの。
ワイン的には同じ値段でもっと素晴らしいものがあるにもかかわらず、なぜボジョレヌーボーがここまで売れるのでしょうか?

ボジョレヌーボーの爆発的な売上はその解禁日が少なからず影響しています。いろいろな理由があると思いますが今回は3つのポイントに絞って見ていくことにしましょう。

1つ目は、人は禁止されたり、なかなか手に入りにくかったりする場合は通常よりもその商品を欲しいと思う欲求が非常に高まることが挙げられます。

たとえば、誰しも“○個限定!”や“販売終了後はもう手に入りません”などの謳い文句に、それまではそんなに欲しいと思わなかった商品でも思わず購入した経験があるのではないでしょうか。これと同じように、解禁日を設けるということはその日まではボジョレヌーボーは飲めないわけですから、人々のボジョレヌーボーへの欲求が段々と高まり、解禁日に一気に爆発することになるというわけです。

2つ目は解禁日という記念日を設けることによって、消費者の間でイベント化されるということです。バレンタインデーも同じですが、1日だけをその商品の日と定めれば、年間を通してダラダラと販売するよりは、瞬発的な売上が見込めます。

3つ目は習慣化されるということ。土用の丑の日にウナギを食べるという習慣と同じように、11月の第3木曜日はボジョレヌーボーを飲むという習慣ができれば、自然に消費者の頭の中にこの時期になるとボジョレヌーボーのことが思い出されて購入に繋がっていくのです。

このようにブランドを維持するために設けた解禁日によって思わぬマーケティング効果が高まったボジョレヌーボー。今年も世界中でどのような狂想曲が奏でられるのか……。多くの人にとって待ちに待った非常に楽しみな1日となるのではないでしょうか。

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