マーケティング/マーケティング事例

80%がNo!Windows Vistaが売れない理由(2ページ目)

Windows Vistaが発売されて1か月超。あれほど盛り上がった事前報道の割には実際の売上は盛り上がりに欠けるようです。果たしてなぜVistaは売れないのか?マーケティングの観点から鋭く分析します!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

新製品の売上を決定づけるイノベーター理論とは?

イノベーター理論
新製品の売上は時期によって5つのタイプの消費者が登場する!
今回のWindows Vistaのような新しく発売された製品に対する消費者の反応はまちまちです。たとえば、あなたは自分の関心のある分野の新製品が出た場合、すぐに購入する衝動派でしょうか、それともじっくり他の人の評判を確かめて購入する慎重派でしょうか?

マーケティングではこのように新製品に対する消費者の購買行動の特徴を基にして、消費者を5つのタイプに分けています。そしてこの5つの消費者タイプが新製品の売上にどのように関わっていくかを明らかにしたものがイノベーター理論というわけです。

この5つの消費者タイプのうち、最初のタイプは新製品が出るとすぐに飛びつく新し物好きの人達です。このような人達はイノベーターと呼ばれ消費者全体の2.5%に相当します。その次に新製品に関心を示すのがオピニオンリーダーと呼ばれる人達で消費者全体の13.5%を占めています。このオピニオンリーダーに属する人達はイノベーターほど素早く新製品に飛びつくことはありませんが、比較的初期の段階で新製品を購入し、その評価を他の消費者に伝えていく重要な役割を担っています。

このようなオピニオンリーダー意見に耳を傾けて製品の評判が高いとわかった段階で製品を購入し始めるタイプがアーリーマジョリティと呼ばれる消費者で全体の34%を占めています。このアーリーマジョリティには非常に多くの消費者が属していますので、この層が消費を始めることによって製品は爆発的なヒットの兆しが見えてきます。

このアーリーマジョリティによって市場に広まった製品を次に購入するのがレイトマジョリティと呼ばれる層です。こちらも消費者全体の34%を占めています。このレイトマジョリティの層は製品が大量に安定供給され、価格が下落し始めたころに初めて製品の購入を始める消費者ということができます。

そして、製品が成熟し、衰退期を迎えた頃にようやく購入を始める層はラガードと呼ばれ消費者全体の16%がこの層に属します。

製品はこのように発売されてからの時間の経過と共に購入する顧客層が変わってくるのです。

果たして新製品を爆発的に売るためにはこの5つのタイプの消費者をどのように攻略すればいいのか?次ページでお伝えします!
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