それでは誰が責任をとるの?
損害賠償の範囲は、当事者の予想をはるかに超えて、大きく広がることがあります。 |
確かに今回のようなケースでは、損害の範囲が際限なく拡大してしまいます。そしてその損害の全てについて責任を負うということになれば、どんなに大きな会社であっても、たちまち倒産してしまうでしょう。
そこで、このような不都合を回避すべく、民法では賠償責任の範囲を「相当因果関係」や「予見可能性」といった概念によって限定しています。要するに、「風が吹けば桶屋が儲かる」的に、被害がどこまでも広がっていってしまうことを防ごうというものです。
とはいえ、三国屋建設が自社のウェブサイト上で主張しているように「予測不能なので間接損害については責任がありません」というのは、一般的な市民感情からすると少々無理があるような気がします。(少なくとも、送電線を傷つけることによって停電が発生するというのは、普通に予測できそうです・・・)
かなりの高額になりそうです・・・
最終的にどこまでの責任が認められるか分かりませんが、この記事を書いている段階では、東京電力は、損傷した送電線設備の復旧に要した約5000万円の費用(これは直接損害ですね)について、三国屋建設に対して損害賠償請求する方針であることを明らかにしました。また、一般家庭の場合は、停電が1時間以上続くと1カ月の基本料金の4%を割り引くという規定があるとのことで、この割引分についても損害賠償請求の対象となる可能性があります。(かなりの高額になりそうですね・・・)