損害が全体におよんだ場合は?
さて、ここまでは車両の一部に生じた損害について、全塗装が認められるか否かについてお話をしてきましたが、損害が車両全体に及んだ場合にはどうなるのでしょうか?「そんなこと滅多にないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は意外とあり得るお話だったりします。実例をご紹介すると、ある国産高級車のオーナーが、レジャー施設で駐車場に車をとめて、用事を済ませて戻ってみると、ボディのほぼ全面に何か硬いもので落書き(いわゆる「百円チョップ」ですね)されていたということがありました。
10年ほど前の出来事だったのですが、この車のオーナーがディーラーで修理代の見積もりをとってみたところ、その金額は何と120万円!でした。これぐらいの金額になると、車両の年式によっては、時価額を超えてしまい、「全損」ということにもなりかねませんが、修理代が時価額の範囲に収まっているようであれば、全塗装による修理も十分に考えられます。
実際にこのケースでは全塗装による修理が施され、修理費用は車両保険によって賄われました。同様の事例はエコノミー車両+Aでもカバーされますので、「高級車に乗っているけど車両保険は付けていない」という方などは、この際検討してみてはいかがでしょうか。