一度決めたら変更できません

そもそも示談というのは、正式には民法上の「和解契約」のことをいい、条文をみると、

第695条  和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

ということで、文字通り「当事者が互いに譲歩」して「争いをやめる」という契約を結ぶことを意味しており、契約の内容については基本的に当事者が自由に決めることができます。また、続く第696条には、

第696条  当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。

とされていて、ちょっと難しいのですが、要するに一度和解契約によって争いのあった法律関係が確定すると、以降当事者は将来にわたって和解内容に反する主張をすることができなくなります。つまり、一旦示談が成立してしまうと、後で新たな事実関係が明らかになったとしても、損害賠償の額などを変更することはできなくなるというわけです。

示談後に後遺症が発生したら?

それでは、示談が成立した後に後遺症が発生した場合などは、とのような扱いになるのでしょうか?

過去の判例をみるかぎり、示談成立時の症状からみて予想外の後遺症が発生した場合などについては、既に受領した示談金とは別に、新たに発生した後遺症についての損害賠償請求が認められる可能性があります。

また、人身事故の示談書を作成する際には、このような事態を想定して、但し書きを付け加えておくのが一般的です。

しかし現実的には、後から発生した後遺症と過去の事故との間の因果関係を証明するのは非常に困難ですので、将来後遺症が発生する懸念がある場合には、あらかじめ示談書の内容に盛り込んでおくべきでしょう。

いずれにしても、示談にあたっては、やり直しや取り消しがきかないということを肝に銘じ、内容をしっかりと確認して納得したうえでハンコを押すことにしましょう。


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