大雨・洪水の被害は補償される?

洪水によって車が浸水・水没した場合、自動車保険で補償される?

洪水によって車が浸水・水没した場合、自動車保険で補償される?

特に梅雨の時期から夏にかけては、全国的に前線や台風の影響によって大雨に見舞われることが多くなります。例えば「平成27年9月関東・東北豪雨」では鬼怒川が氾濫、11,230世帯に避難指示が出され、茨城県常総市では約1/3の面積に相当する約40平方キロメートルが浸水するなど、大きな被害が発生したのは記憶に新しいところです(国土交通省 関東地方整備局「『平成27年9月関東・東北豪雨』に係る洪水被害及び復旧状況等について」より)。

大雨などにより水が河川や湖沼からはん濫して起こる災害、あるいは雨水を河川に排水できないために雨水が堤防の内側に滞留して起こる災害を「洪水災害」と呼びますが、このような洪水によって車が浸水・水没した場合、契約している自動車保険で補償されるのでしょうか?

結論はズバリ、自動車保険の車両保険の補償対象になります。具体的な状況を以下に挙げてみましょう。
  • 近くの川がはん濫して車が浸かってしまった
  • 車を停めていた機械式駐車場ごと水没した
  • ガード下の冠水に車で突っ込んでしまった
  • 土砂災害に車が巻き込まれた
洪水というと広範にわたる浸水をイメージするかもしれませんが、ガード下の冠水のように、ゲリラ豪雨などで局所的に雨水が溜まったことによる車の損害も補償対象になります。また、大雨などによる土砂災害も同様に補償されます。

車両保険がエコノミー型でも補償される?

車両保険にはいくつかタイプがありますが、どのようなタイプでも大雨・洪水による損害は補償されるのでしょうか? 保険会社の多くは、車両保険で「一般型」と「エコノミー型(車対車+A)」の2つのタイプを用意しています。

「エコノミー型」は補償の対象となる状況が一般型より限定されており、「電柱への衝突などの単独事故」や「他車との接触で相手が不明の当て逃げ事故」が補償されません。また、自転車との接触で自分の車に損害が生じた場合も対象外です。一方、洪水による車の浸水・水没は「エコノミー型」でも「一般型」でも補償の対象になります

ただし、一部の保険会社では車両保険の補償範囲をより細分化して選ぶことができるため、注意が必要になります。例えば、ある保険会社は「自宅・車庫での水災」を外すという選択ができ、それにより保険料を下げることができます。しかし、車の通常保管場所における洪水など、自然災害による浸水・水没などの損害が補償されなくなります(ショッピングセンターの駐車場など、通常保管場所以外に駐車している場合は補償されます)。車両保険が「一般型」または「エコノミー型」ではないという人は、一度補償範囲を正確に確認することをお勧めします。

なお、車両保険は全損のとき、免責金額が差し引かれません。つまり、設定した車両保険金額が全額支払われるのです(この事実は意外と知られていないように感じています)。車は水没してしまうと、外見は異常がないように見えても電気系統の故障で修理ができず、全損になることも少なくないようで、知っておいて損はないでしょう。

保険を使った場合、等級はどうなる?

自動車保険の等級制度では、等級が1~20等級に区分されていて、等級が高いほど保険料の割引率も高くなります。1年間無事故で保険を使わなければ、次回更新時に1等級ずつアップしていきます。

大雨・洪水による損害で車両保険だけを使った場合、「1等級ダウン事故」として翌年の等級が1等級ダウンし、「事故あり係数適用期間」が1年加算されます。2012年より等級制度が大きく改定される以前は「等級すえおき事故」として、大雨・洪水で車両保険だけを使った場合は等級がダウンしない取り扱いでした。それを覚えている人は、ちょっと厳しく感じるかもしれませんね。

それでも、例えば対人賠償保険や対物賠償保険を使う事故は「3等級ダウン事故」として取り扱われることと比べれば、保険金が請求しやすいように配慮されていると見ることもできるでしょう。

高潮による車の損害は補償される?

台風や発達した低気圧が通過するとき、海面がいつもより高くなることがあり、これを「高潮」といいます。高潮で海面が高くなっているときに高波が発生すると、普段は波が来ないようなところにまで波が押し寄せ、被害を及ぼすことがあります。この高潮で車が損害を受けた場合も、洪水による損害と同様に車両保険の補償対象になります

次のページでは「津波による損害は補償される?」を紹介していきましょう。