投資信託/投資信託(ファンド)の選び方

毎月分配型投信のメリット・デメリット(2ページ目)

この国では、投資初心者は分配型を好む傾向があります。その影響か、毎月分配型ファンドの中には一時5兆円を超える規模まで成長したものもあります。最近では、先進国のハイイールド債券に投資する分配型投資信託が売れています。果たして分配型が自分に向いているのか?その商品性をよく理解して、リスク商品の選別を行いたいものです。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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グロソブの凋落

ピーク時には純資産総額が5兆円超もあったグローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)も、今では1兆円ほどに減ってしまいました。理由は、進行する円高の影響で基準価額が下がり続けていることと、先進国の低金利政策で分配金が減ってしまったことです。

ことグロソブに限ったことではありませんが、先進国債券に投資する投資信託はどれもおおむね同じ傾向になっています。その一方で、最近注目されているのは、新しいタイプの分配型投信です。

新しいタイプの分配型投信も

利回りの低下した、先進国債券に投資するタイプから資金が流出した後に、より高い分配金を求めて新しいタイプの分配型投資信託に資金が流入しています。

その投資対象は、新興国債券と海外不動産です。前者の例でいうと、三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ<円コース>(毎月分配型)では、毎月65円の分配金が出ています。後者の例でいえば、国際投信のワールド・リート・オープン(毎月分配型)。こちらも毎月65円の分配金が出ています。

しかし、2013年5月のテーパリング・ショックで新興国通貨が下落した影響で新興国債券の成績は悪化しました。代わりに売れているのは、欧米の低格付け企業に貸し付けるハイイールド債券です。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、毎月70円の分配金が出ています。純資産総額1兆2千万円。前述したグロソブを抜いて、債券部門で堂々の最大規模を誇っています。欧州ハイ・イールド債券オープン(岡三)のユーロコースでは毎月80円の分配金が出ています。

毎月分配金が必要ならば、分配金の多寡を追いかけてしまうのも仕方ありませんが、投資元本を意味する基準価額が減っていては元も子もない、という見方も必要です。分配金がたくさん出て、基準価額も上昇してくれる分配金投信がありがたいですね。最後にご紹介した欧州ハイ・イールド債券の基準価額は1万1319円ですから、インカムゲインとキャピタルゲインが両立しています。
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