30項目もの検索条件があるファンド検索
モーニングスターとしてもっとも有名なのはやはり「ファンド検索」です。日本で公募されている約3,500本の投資信託をさまざまな条件から探し出すことができます。一般的には、これから買いたい投資信託を見つけるときに、よく使われると思います。まず「カテゴリー」で資産クラスを選択し、その後にレーティングやトータルリターンで検索をかけて、有望な投資信託を探そうというわけです。レーティングでは「★★★★以上」とか、トータルリターンなら、「5年で、分類平均より高い」などを選択すると候補銘柄が表示されますが、それでも検索結果が多過ぎるときには、追加条件で標準偏差が「5年で、分類平均より小さい」を選択したり、純資産総額が「10億円以上」を選択したりして、さらに絞り込むことができます。その検索条件は、コストや表彰経歴など、実に30項目もありますから、自分なりの優先順位を決めてから検索しないと、大変なことになります。
ランキングは便利だが、使い方は原則を守ること
ファンド検索に劣らず、ファンドランキングも個人の投資家にとって関心の高いものの一つですが。サイトのデフォルト設定は1ヶ月リターンの良い投資信託が並んでいます。すべてのカテゴリーの中で1ヶ月リターンのベスト20というのは、いかにも刺激的ですが、実際にはほとんど役に立ちません。短期的な成績や異なるアセットクラスとの比較は、投資の勉強に当たって何の役にも立たないのでお気をつけください。あくまでも、同類のファンドの中で比較する、ランキングを確認するという原則を守って使いましょう。期間も3年以上で測ることが無難です。重要な2つの数字が簡単に入手できる
モーニングスターのファンド情報で非常に助かるのは、株式ファンドにおけるシャープレシオ分析、債券ファンドにおけるデュレーション分析です。ここでは、簡単な説明しかできませんが、シャープレシオとはリターンの数字をリスクの数字で割ったもので、大きいほど投資の効率性が高いことを意味します。デュレーションとは債券の残存期間を意味する年数ですが、大きいとリターンが高くなる分だけリスクが高まり、小さいとリスクが抑えられる一方でリターンも低くなってしまいます。この二つの数字を簡単に入手できるのも、モーニングスターサイトの特徴です。ETF、株情報も充実している
ETFのページには国内上場ETFだけでなく、海外に上場しているETF一覧があります。これも、国際分散投資を志す人にはうれしいコンテンツです。ただし、すべての海外ETFが出ているわけではありません。末尾に小さい字でこう書いてあります。「掲載対象銘柄は、マネックス証券、楽天証券、SBI証券にて取り扱い中の銘柄に限ります」
つまり、日本の3大ネット証券で買えるETFだけを網羅しています。まあ、国内の投資家に対するサービスとしてはこれで十分かもしれません。
投資信託に強いモーニングスターですが、株式に関する情報も潤沢に提供しています。国内株式に関する情報はどこででもあふれていますが、モーニングスターで特徴的なのは「グローバル株式検索」です。現在では、米国、中国本土、香港の銘柄をセクター、時価総額、パフォーマンスなどの条件検索で探すことをできます。異なる証券取引所に上場する銘柄を一つのサイトで比較検討できるというプラットフォームには未来の国際証券取引所を予想させてくれます。将来的に、欧州の株式なども掲載されることを期待しています。
・モーニングスターを使いたおそう(1)~資産運用の金融電卓機能~