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保険金不払い問題は解決するか?(2ページ目)

ここ2年ほど損保業界を揺るがしている保険金不払い問題。昨年11月には金融庁から3度目の調査命令が出されています。この春には各社調査を終了するようですが、どんな保険金不払い問題が残っているのでしょうか?

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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保険金不払い
人身傷害補償保険の内容は改めて確認しておきましょう。
人身傷害補償保険とは、自動車事故などで保険の対象となる人が死傷したり、後遺障害を負った場合に相手との「過失割合に関わらず」、自分の過失分も含めて「損害額の全額が相手との示談を待たずに支払われる」ものです(但し契約している金額の範囲が限度)。

例えば自動車の人身事故で損害額が5,000万円、過失割合は自分30%、相手70%とします。そうすると、

相手から損害賠償金:3,500万円
自己過失分    :1,500万円  となります。

このとき相手を過失割合でもめていて、損害賠償金がなかなか支払いにならないときでも人身傷害補償保険(仮に5,000万円契約していれば)があれば自分の自動車保険の人身傷害補償保険から5,000万円を示談を待たずに受け取ることが可能なわけです。

人身傷害補償の保険金不払い

それでは何故ここで保険金の不払いが起こったのでしょうか?相手方の保険会社が算定する損害賠償金額と自社の保険会社が算定する人身傷害保険金額が必ずぴったりと一致するものではないということです。

つまり前述の例だと相手方から3,500万円損害賠償金として支払ってもらって示談が終了したとしても、相手の過失分(この場合3,500万円)に対して、人身傷害補償保険で支払う計算額の方が多い場合に差額が生じます。

ここが保険金の不払いになっている可能性があるというものです。事故内容、損害保険会社及び自動車保険商品によって状況が変わる点はご理解ください。

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