自動車保険、ノンフリート等級引継ぎ事例Q&A
ここからは具体的に、自動車保険の等級の引継ぎができるのかを、いくつかのパターンにもとづいて解説していきましょう。■親子間での自動車保険の等級の引継ぎはできる?
これはよくあるパターンだと思いますが、親が車に乗らなくなるので子供が引継ぐケースです。
あるいはローンを組む関係で親の名前でローンを組んだからそのまま自動車保険の契約の親のままになっていて、その後子供本人の名義にしたいときなどのケースもあります。
これは同居している親子であれば等級の引継ぎが可能です。これは夫婦の場合でも同様です。注意点として例えば子供が結婚して家を出て別世帯になるような場合だと引継ぎができなくなります。このようなときには、家を出るまでに忘れずに名義変更の手続きをしてください。
■20等級にて契約の自動車保険がある。子供が免許を取ってクルマを1台増やすが、年齢が若いので高い。20等級の契約の等級は引継げないか?
現在のクルマA:既存契約20等級(親が乗る年齢条件35歳以上補償)
新しいクルマB:新規契約07等級(子も乗る年齢条件21歳以上補償)
※新契約には複数所有新規の割引で7等級で契約
普通に考えると上記のようになりますが、実は等級の引継ぎ・入替えが可能です。Bの既存の契約に入れて、結果押し出されたクルマAを新規で契約することが可能です。
新しいクルマB:既存契約20等級(子も乗る年齢条件21歳以上補償)
現在のクルマA:新規契約07等級(親が乗る年齢条件35歳以上補償)
21歳以上補償など若年層が乗る年齢条件は保険料が高くなりますが、これを割引の進んでいる既存契約(20等級)にあてることで、保険料を押さえることができます。親が乗る車は新規契約になりますが、年齢条件35歳以上補償なのでこちらも負担を軽減できます。
車が複数になる場合は上記のようなことが可能です。これはあくまで増車時(あるいは減車時にも可能)に可能なだけです。もともと2台あって片方の車が事故で等級が悪くなるからという理由だけで、2台の等級を入替えするということはできません。
なお、減車のタイミングでも同じことが可能です。あくまで車が増える(増車)あるいは減る(減車)のタイミングだけですので注意してください。
■バイク保険の等級の割引を新しく購入する車に使えるか?
この場合、車両の用途車種が合致しないため自動車保険の等級の引継ぎをすることができません。一般的な個人の自動車保険の場合、自家用8車種に該当するものがほとんどのはずですが、この中での車両入替えは問題ありません。
等級の引継ぎについては用途車種等もよく確認してください。上記のように普通に乗用車などの入替えであれば通常は問題ありません。
■会社名義の自動車保険の等級を個人に引継ぎできる?またはその逆は?
一般的にはこのケース、自動車保険の等級引継は不可です。但し個人事業主が法人成りした場合などでは所定の書類の提出によって可能になることもあります。逆に法人契約していたが、法人組織から個人事業へ縮小した場合も同様です。
ちなみに法人から法人への変更もできません。単なる会社名の変更なら問題ありませんが、まったく関係のないA法人からB法人へ自動車保険の等級引継ぎは不可です。これは個人の場合も同様です。
個人がまったく関係のない他人の自動車保険の等級の引継ぎができないのと同じと考えてください。
自動車保険の等級と記名被保険者の変更
例えば親から子供に等級の引継ぎをして名義変更したとします。名義変更ってみなさん、保険の契約者を変えればいいと思っていませんか。保険上、最も重要なのは記名被保険者を忘れずに変えることです。記名被保険者とは、保険の対象となっている人のことです。特に指定していなければ契約者と同一。契約者だけ変更すると記名被保険者はそのまま残ってしまいます。
既にお話したように子供が結婚して家を出たら、引継ぎできなくなりますので記名被保険者の変更を忘れずにしてください。
損害保険ガイドから今日のポイント
自動車保険の等級の引継ぎは、保険料が安くなる可能性のある大きなポイントです。2012年10月のノンフリート等級制度の改定により、事故時の翌年以降の保険料負担がものすごく重くなっています。減車するタイミングで片方の契約に事故がある場合、等級が進んでいないほうの契約がより割引が良くなることもあります。目先の保険料はもちろん長い目でみてどうするのか有利かよく検討する必要があります。自動車保険の等級の引継ぎは一層重要になっていますので、事前に損害保険会社に必ず確認してください。