50歳になったら、老後資金準備の微調整に入る
30歳代、40歳代と考えてきた老後資金準備ですが、50歳代にさしかかったときは、どのような対応をしていけばいいのでしょうか。50歳代に入ってできることはどうしても限られてきます。長い時間を使ってお金を積み立てることはできませんし、ある程度公的年金水準も決まってきてしまいます。しかし、逆にいえば、現状を具体的に把握しやすいということでもあります。それに合わせて、今できる対策をきちんと講じて微調整をしていくことが50歳代における大切な老後資金準備ということになります。
50歳代でできる老後資金準備の大きな流れは、4つの流れで考えていくといいでしょう。まず、(1)おおまかな年金収入を夫婦で試算します。今は年金に関する書籍も多く、年金額の目安も分かるようになっています。また55歳になると社会保険事務所に申し出ることで年金の目安額が試算してもらえますのでぜひ活用してください。
次に、(2)おおまかな退職金、企業年金額を試算してみます。老後の大きな財産のひとつですが、自分の退職金について詳しい人はほとんどいないようです。ある調査によれば自分の退職金を計算したことのある人は2人に1人くらいという調査もあるくらいです。ぜひ自分の金額を知っておきましょう。また、今後カットされる可能性も考え、辛めに見積もることをおすすめします。
その次に、(3)おおまかな60歳時点の財産を予想します。先ほどの(1)(2)以外の自分の財産を総チェックしてみましょう。預貯金や株・投資信託の残高だけでなく、保険の満期金や財形の積立額などとにかく財産といえるものは全部チェックします。不動産も時価でどれくらいの価値が出そうか把握しておきましょう。
最後に、(4)自分の希望する生活水準に見合うかチェックします。自分の希望する生活水準で20~25年程度は問題なく暮らしていけるだけの財産であるかを確認します。もちろん、余裕をみて30年以上の期間を設定してもかかまいません。
簡単にいうと
(1×受け取り年数)+(2)+(3) > (4)
であれば、お金が残るということですからOKということです。逆に
(1×受け取り年数)+(2)+(3) < (4)
であれば、老後の生活費にお金が足りていないということですから対策を考えなければいけません。
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