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1ボタンマウスであるべき理由(4ページ目)

道具というものは、その形に必ず意味があるものです。では、1ボタンマウスの意味ってなんでしょう?今回はそんなことを考えてみました。

木下 幹司

執筆者:木下 幹司

Macガイド

本質を決めるのはソフトウェア

 もちろん、私自身もPCからパソコンをはじめているので、2ボタンマウスのほうが慣れれば便利だと思っています。ただし、その恩恵を確実に受けるには、ソフトウェアが正確に開発されていなければなりません。

■ボタンの数よりホイールの有無が重要?
(Finder / Internet Explorer ..etc.)

 スクロールを行うときに、ホイールというのは便利です。これだけは弁護のしようがないですね(笑)
 でも、Mac 用のソフトでスクロールする方法はいろいろあって、例えば InternetExplorer ではcommand キーを押しながらマウスをドラッグすることで、スクロールできます。
 また、Mac OS X ではスクロールバーを操作するとき、 option + command キーとの組み合わせでスクロールバーのクリックした位置に移動したり、option + 矢印ボタンでページ単位スクロールしたりします。
 1ボタンマウスの制約があったからこそ生まれたアイデアだと言えるでしょう。
参考 ガイド記事: X のスクロールバー  しかし、機能と操作の関係は複数存在すると迷いが発生します。ただでさえ、パソコンの操作は複雑です。複数ボタンがあることで、複雑さは加速してしまいます。単純に1つボタンが増えただけで、組み合わせは2倍になるのです。ましてや、マウスボタンというのは、クリック、ダブルクリック、ドラッグなどいろんな操作がありますので、操作のパターンは膨大になります。これだけ見ても、ソフトウェアのプログラマがいろんなケースを想定する必要があり、ソフトウェアの本質を高めるまえに、たくさんのコーディングとテストが必要になります。結果として“使いやすくするための試行錯誤よりもすべてのケースを満たしたソフトウェア製作”が優先され、本質的な考慮が足らないソフトができてしまうのです。

 そんな理由から、Mac はPCのソフトと比べてソフト開発時に“使いやすさ”の試行錯誤に時間がかけられるため、自然と 「Mac 上で動くソフトウェアが使いやすい」という結果になってくるのだと思っています。1ボタンマウスを使い続けるということは、そんな開発者の“思い”をダイレクトに受け取ることになるので、Mac を使う上で 1ボタンを使うことは、“Mac 本来の使い方”であると思っています。
 1ボタンで使えるようになっているのに、あえて右クリックメニューやホィールがないことを、そんなに悲観する必要はないのではないでしょうか?

 ちなみに、Mac でも、control + クリックによりコンテキストメニューが開きます。よく、これと右クリックとどうちがうんだ?という意見を聞きますが、前者は「任意」であり、後者は「必須」という宿命を持っています。ボタンがある以上機能がないのは不適切ですから、どのような箇所でも右クリックのメニューは実装されてしかるべきですが、Mac のcontrol + クリックは本当に実装されるべき箇所にしか存在しません。これも1ボタンだからできる“責任逃れ”なんですね(笑)


 今回の「1ボタンマウスであるべき理由」いかがでしたか?
ちょっとこじつけの部分もある様な気がしますが、「1ボタンマウスにだって存在異議がある!」ということを、みなさまにわかっていただきたかったのです。

木下幹司は“1ボタンマウス”応援しています。

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※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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