2005.3.27:体裁を変更。
2003.3.25:“読みにくい”と言うお叱りを受けたので全面改訂しました。


 道具というものは、その形に必ず意味があるものです。
それは “使う人にとって使いやすく作られている” というだけではなく、いろんな使用局面や製造過程、および歴史なども影響しているものです。

 そして、道具における使いやすさとは「初心者」に対してだけのものではありません。本当に良い道具とは「道具を使い込んだ人」を中心に設計され、「使い込むごとに手に馴染む」ものであるはずです。

 Mac の1ボタンマウスについて、こんな話をよく耳にします。

Mac は初心者のために、わざと1ボタンマウスにしている。 よってパソコンを使い慣れた人にとっては使いにくいものだ!


最近では新しいデザインのMacが発表されるたび、「次こそ2ボタンマウスが採用されるべき!」というような強い意見もインターネットの掲示板や、コラムなどで見かけます。

・・実は、私自身も、Mac を使い始めてばかりのころは “1ボタンマウス”に否定的な意見を持っていました。

「“右クリック メニュー”が使えないなんて、信じられない!」


 このように多くの批判があるなか、なぜ Apple は Mac のマウスを 2ボタンマウスに変更しないのでしょう。

 Apple が、1ボタンマウス に こだわり続けるにのには、なにかちゃんとした理由があるはずです。それはいったいなんなのか?

「なぜ、Mac は“1ボタンマウス”であるべきなのか?」

・・・その理由を、私なりに考えてみたいと思います。

ソフトウェアを作る側から見たマウスボタンの数

 「Mac は使いやすい」といわれる背景として“Mac で動くソフトウェアが使いやすい”ということが挙げられます。
 では、たんにMac 環境で動くソフトウェアを開発するメーカーが優れた操作性を提供しているだけなのでしょうか?

 ここで、一般的なソフトウェアの開発の流れを見てみましょう。

【ソフトウェアの開発の流れ】

  1. ソフトの設計/仕様を決める
  2. 基本動作するソフトウェアを作成し、操作性などを検証
  3. デザインや、機能を作り上げ、動作テストし、不良である箇所を修正していく
  4. マニュアル、ヘルプなどを作り上げる

 ・・大きく分類するとこんな感じでしょうか?

 さて、「1. ソフトの設計/仕様を決める」の段階では 操作性についてまだ何も決まっていないに等しいので、 ソフトウェアの操作性に影響する段階である 「2. 疑似ソフトウェア 作り操作性などを検証する」の作業を見てみます。