中国、四国、九州の寺・神社
この3つのエリアには、それぞれに、日本の源流となる神話が伝わる神社や、古い由緒を持つ寺があります。中国地方は、出雲大社と厳島神社という2つの大きな神社があります。鳥取の三仏寺には、修験道の開祖、役行者が神通力で投げたという国宝、投げ入れ堂があります。このような不思議なお堂は他では見られないため、寺好きなら一度は行きたい場所となっています。
四国は全域に広がる八十八ヶ所霊場がメインです。香川県には、古くから人気だった金比羅さんもあります。
九州は、特に北部は朝鮮半島に近いこともあって、たいへん古くから文化が開けており、一説には、邪馬台国もここにあったと言われています。神話とも深いかかわりがあり、宮崎県には、天孫ニニギノミコトが降り立ったとされる高千穂もあります。
中国地方のおすすめの神社仏閣
■吉備津神社(岡山県岡山市)山陽地方屈指の大社で、本殿拝伝は国宝に指定されています。前後2つの入母屋造を連結した比翼入母屋造と呼ばれる屋根が特徴で、全国にもここにしかないため、「吉備津造り」とも言われます。また、桃太郎伝説のもとになったと言われる鬼退治の話が伝わっています。
■厳島神社(広島県廿日市市)
創建は6世紀末の、推古天皇の御世。平家一門の崇敬を受け、平清盛が、現在のような独特の形の建物を造営しました。海に浮かぶ宮殿のような美しい風景が評価され、世界遺産に指定されています。建物の多くは、国宝でもあります。宮島には、厳島神社だけでなく、他にもたくさんの神社や寺があり、宝物館や資料館、水族舘もあるので、じっくり歩いてみたい。
■出雲大社(島根県出雲市)
大国様こと大国主命は、天照大神の弟である素戔嗚尊の子孫で、出雲の地に豊かな国を築いておられました。それを見た天照大神は、この国は自分の子孫が治めるべきものだといい、大国主命に、「国を譲るように」と申し入れました。大国主命は、国を譲る条件として、自分が住むための立派な宮を造ってほしいと答えました。その宮が、出雲大社であると言われます。大国様は、縁結びの神としても有名で、旧暦10月には、国中の神様が出雲に集まって縁結びの会議をすると言われます。
※国宝のご本殿は現在、60年に一度の修復中で、大国主命は仮本殿にいらっしゃいます。2013年には修復が終わり、ご本殿に戻られるとのこと。
■三徳山三仏寺(鳥取県東伯郡三朝町)
断崖絶壁にはめ込まれたような不思議なお堂が有名で、国宝にも指定されています。修験道の開祖、役行者が神通力で投げ入れたという伝説があるため、「投げ入れ堂」と呼ばれます。この特異な建造物を世界遺産に推そうという動きもあります。
※三徳山を世界遺産へ
■瑠璃光寺(山口県山口市)
室町時代の守護大名、大内義弘の菩提寺で、日本三名塔のひとつとされる国宝五重塔があります(他の二塔は、奈良・法隆寺の五重塔と京都醍醐寺の五重塔)。夜間は毎日ライトアップされ、昼間とは違う荘厳な姿も見られます。