温泉/東北の温泉

蔵王温泉「共同湯」3ヶ所と「高見屋」(4ページ目)

日本でも強い酸性泉で玉川温泉に続いて酸性度2位になっている蔵王温泉を紹介する。足元自噴浴槽の川原湯共同湯と上湯、下湯共同湯。PH1.3の強力な源泉を持っている老舗旅館「高見屋」のレポート

執筆者:郡司 勇


 4 蔵王温泉 下湯共同湯 (再訪)


1. 近江屋3号源泉 上湯と同じ
2. 蒸発残留物3487mg 
3. 山小屋のような造りの共同湯



下湯1丸太を生かした造りの下湯共同湯
下湯共同湯は太い柱を使い、山小屋のような造りの共同湯である。入口右側には大きな刳り貫き石に源泉が流されている。湯量豊富なのであろう、2つの共同湯でも使いきれない源泉である。梁が見える天井の高い空間で、木造の良い造りの浴舎である。

下湯2木製の小さな浴槽
総木製の浴槽や床は上湯と同じである。源泉も上湯と同じ近江屋3号泉が入れられている。上湯では透明であった温泉はここでは硫黄分がわずかに個性を発揮してきており、薄く白濁している。微白濁、強酸味、弱硫黄臭と記録した。硫黄分が析出し白くなった浴槽は雰囲気があり、源泉もやや温度が下がり、適度に掛け流ししており、良い個性が出ていた。

下湯3吹き抜けの高い天井
湯は新鮮なのが良いのであるが、硫黄を含有する場合、ある程度熟成されると良いものがあり、新鮮な源泉でもある程度の幅がある。循環や源泉タンクなどで鮮度を失ったものは別として、微妙な鮮度で個性が変る硫黄分は繊細で興味が尽きない。これは上々のレベルでの比較である。


蔵王温泉 下湯共同湯 
山形市蔵王温泉47番地
電話. 023-694-9005 (蔵王温泉組合)
入浴料金 200円 
6時~ 22時

  • 蔵王温泉 下湯共同湯

    ※この記事に書かれている情報は2007年時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。


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