5 大谷温泉(ウタン浜温泉)
1. 海岸の野湯 38から40度の酸性硫黄泉が岩や石の間から湧出し、所々に湯溜まりがある
2. 透明弱く白濁、酸味+明礬味+たまご味+少塩味、硫黄臭
3. 快適な野湯、ロケーションも素晴らしい
平家城下の温泉湧出が白い流れになっている。 |
硫黄島には10ほどの温泉が確認されているが、施設があって確実に入浴できるのは開発センターと東温泉、坂本温泉、温泉プール(夏のみ)の4つである。ほかの長浜温泉、ウタン浜温泉、赤湯、平家城下、穴の浜、北平、の6つは海岸に自然に湧出している、いわゆる野湯で潮の満引きや、波浪の状況でも入浴できるかどうか変わってくる。
穴の浜方面の海の色は驚くべき美しさ |
今回は野湯のうち長浜、ウタン浜の2つに入れたのでよかったと思っている。車を借りて島の北側に行く。突き当りが平家城である。平家城というのは島の北側に突き出た四角い城郭のように見える岩山で、そこまで道があり車で行ける。
海の中の湯溜りが適温 |
全くの絶壁で平家城下の野湯に入ろうと思っても、海の色は変化しているが降りる道がない。波の少ない時に漁船をチャーターするなどしないと入浴できないだろう。また近くには北平温泉があり、その地域は海岸線が俯瞰できるが、岩を波が洗っており、アドベンチャーや探検家の範囲であろう。
白濁した酸性硫黄泉 |
そして穴の浜温泉に至る海岸線が遠望できる。これが現実とは思われないほど美しい色の海になっており、凄い量の温泉が海岸に沿って海に流れ出ていると思われる。濃い群青の海が海岸に沿ってだんだんとグラデーションを持ってエメラルドグリーン色になり、一番色の濃い地点ではほぼ白濁に近い色になっている。
大きな岩の間に湯が湧いている |
さてウタン浜温泉を探して海岸への降りる道を探すが、絶壁に突き当たり、平家城の地点から降りるのではないようだ。少し戻ると降りれそうな斜面が見つかった。幸運にもそこがウタン浜温泉であった。斜面を下るにつれて硫黄臭がしてくる。先ほどの長浜温泉は含鉄食塩泉であったので今回は硫黄泉だなあと、興奮する。
絶景の海中温泉で快適 |
大きな岩がごろごろと転がった浜で、数分で温泉の湧出している地点を発見した。大岩の周囲から薄く白濁した酸性硫黄泉が湧出している。温度は実測38度であった。近くの浴槽風になった湯溜りで入浴した。日本海を思わせる豪快な海岸風景で大きな波がワイルドである。入浴してみるとその地点の底からも湧出している。こちらは鉄分がなく、酸性の硫黄泉である。成分的には明礬が含有されていると思われる味覚と匂いがした。源泉は塩分は少なく、酸味とたまご味、明礬味である。硫黄臭もはっきりとわかった。海の色は変わっておらず少量の湧出なのであろう。しかし入浴可能な状況に廻り合い、よかった。入浴していると潮が満ちてきて10分後には先ほどまで快適だった、湯溜りの浴槽は海の中に沈んだ。大きな岩なので手掘りは不能なので干潮の時だけ、入浴可能である。
大谷温泉(ウタン浜温泉)
鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島
自然湧出野湯
無料
※この記事に書かれている情報は2007年4月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。
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