温泉/甲信越の温泉

硫黄臭のつるつるの美人湯と足元湧出温泉

新鮮な源泉を多量に掛け流しの温泉で湯の個性もつるつるで、硫黄臭がする良いもの。山梨の南アルプス麓の芦安温泉と歴史のある療養泉で武田信玄の隠し湯として有名な下部温泉は足元湧出温泉であった。

執筆者:郡司 勇


硫黄臭のあるつるつるの美人湯と足元湧出温泉



新鮮な源泉を多量に掛け流ししている温泉があった。そして湯の個性もつるつるがあり、硫黄臭がする良いものである。山梨の南アルプス麓の芦安温泉と歴史のある療養泉で武田信玄の隠し湯として有名な下部温泉は足元湧出温泉であった。

 

 1 桃の木温泉 本館桃栄館


1. 透明、たまご味、少甘味、少硫黄臭 
2. 弱いつるつるあり
3. 43度 毎分372リットル PH 9.2 アルカリ性単純泉
4. 掛け流し、硫黄分は分析表にはないが仄かに感じる


芦安1
木造モルタルの簡素な宿


92年の訪問以来、芦安の桃の木温泉に訪問した。03年の9月にすこし下流の芦安温泉、岩園館に泊まってはいるが桃の木は久しぶりである。前回の記録では透明、無味、無臭ながら湯量豊富でつるつるありとなっていた。しかし記憶では硫黄分の痕跡があったように思い再訪した。新館の山和荘よりも旧館が良い。

芦安2
大掛け流しの女湯


宿の女将さんの話だと2本の源泉があり男湯には硫黄泉が多く、女湯はアルカリ性単純泉が多く配合されているということである。今回両方入浴させていただいたが違いは感じられなかった。男湯は中央に岩のあるタイル浴槽で透明、少甘味にたまご味、硫黄臭あり、と観察した。弱いつるつるも感じられよい湯である。芒硝系のアルカリ性単純泉で43度のものである。PH9.2 総計747mgである。

芦安3
中央に岩のある男湯も掛け流し


掛け流しにしており床に一面の湯の流れが出来ていた。特に女湯は浴槽が小さい分多量に掛け流ししているように見えた。HSとH2Sは共にゼロであるがはっきりと硫黄臭が分かった。不思議なもので重炭酸イオンは0であるが炭酸イオンが10.3mg含有され弱いつるつるがあった。


芦安4
源泉から湯を出してみた


源泉を見学させていただいたがコックをひねると大量の湯が溢れる。ここで子供プールで入浴してみたいと思った。新館の山和荘の浴室も掛け流しであるが、露天風呂も付き広いので、こちらの桃栄館の浴槽のほうがずっと新鮮でよかった。

 2 下部温泉 おおしま荘



1共同源泉 アルカリ性単純泉 31.6度
2透明、無味、無臭
3水風呂の源泉浴槽がある。加熱風呂は循環

おおしま1
小さな方が加熱湯


 CSテレビで足元湧出源泉浴槽の特集をした。この企画は98年に通販生活誌で行ってからというもの、大人気で数多くの雑誌、メディアでオファーがあり取り上げられてきた。今回のCSテレビでも第4回の放映は足元湧出温泉である。下部温泉の大市館と渋御殿湯、塩原あら湯のむじなの湯の3箇所で1時間である。下部では源泉館を薦めたが最近放映したということで、大市館になった。関東周辺で足元湧出3箇所はかなり選択に困った。湯原や三朝、鹿児島などが入れば最高の出来になるがロケの都合で関東近郊になった。さて翌日の大市館の取材のために泊まったのが下部温泉でも最奥部のおおしま荘であった。小さな宿で浴室は1つのみである。源泉は下部温泉共同源泉で31.6度のアルカリ性単純泉である。総計546mgの薄い源泉で透明、無味、無臭のミネラル水といった感じである。浴槽は2つに区切ってあり、小さいほうが加熱循環浴槽で大きなほうが源泉浴槽である。溜め置きであるが源泉カラン自在になっており、ずっと掛け流しにしておいた。しかし透明、無味、無臭である。引き湯の遠いここでは、温度が気温と同じになっておりほとんど水風呂であった。


次は足元湧出温泉の紹介 
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