すっかりおなじみ「温泉マーク」の意味とは?

温泉マーク

現在使われている温泉マーク


温泉とパソコンやスマホで変換すると、写真のような温泉マークが出てくるほど、すっかりおなじみとなった温泉マーク。

そもそもこのマークは、地図において温泉や鉱泉の位置を示す地図記号だということですが、建設省地理調査所によると、最古の地図としての温泉マークは1884年(明治12年)に内閣省地理局測定課制定された点図がはじまりとされています。
 
磯部温泉の石碑

ドイツ発祥説を抑えて、磯部温泉が、温泉記号の発祥とも言われています

近代的な地図に使われたのは明治時代からと言われていますが、それより以前、江戸時代に温泉マークが使われた例として唯一発見されているのが、群馬県にある磯部温泉です。

万治4年(1661年)、上磯郡村(現・安中市上磯部)とその南側に隣接する中野谷村(安中市中野谷)の農民の土地、境界争いに決着を付けるために幕府の評定所は評決文を出しますが、それに添付された絵図面に「♨」らしき記号が2つ描かれていたとのこと。これが磯部温泉組合や安中市で「日本における温泉記号のルーツ」とし、磯部温泉では磯部詩碑公園内にある赤城神社に「日本最古の温泉記号」の記念碑が立てられ、記号の発祥をPRしています。

地図の記号では3本とも同じ長さですが、温泉法が制定された昭和23年、温泉マークにも意味を持たせようということになり、これにより湯気の長さが同じではなくなりました。

①1本目:一番左の先→1回目の入浴は、5分程度とほどほどに
②2本目:真ん中の線→2回目は8分程度じっくりと
③3本目:一番右の線→最後は3分間程度サッと湯に浸かる

蒸気が上がる様子を記号化した温泉マークの真ん中の線が長いことも、実は理由があったのです。

この分割する入浴方法では、湯あたり防止もありますが、基礎体温の低下を防ぎ、体の芯までよく温まるとされているため、炭酸泉やひんやり温泉は別として、ぬる湯ではない温泉は、ほどほどじっくりさっと、約15分の入浴がベストと言われています。

長く浸かりすぎてのぼせてしまったり、逆にぐったりと疲れすぎてしまっては温泉の効果も半減してしまいますので、ところどころで休憩を入れながら、温泉入浴を楽しんでいただきたいと思います。
 

2017年から使用開始! 新しい温泉マークとは?

新しい温泉マーク

新しい温泉マーク 2017年から使用開始しています

2020年に日本で開催される東京五輪・パラ五輪に向けて経済産業省は、外国人にわかりやすくするため、温泉マークやコンビニマークなど新しい表示の使用が、2017年7月からスタートしています。

温泉マークは、3人が温泉に浸かった様子を表した国際規格が新たに追加されましたが、発祥言われている磯部温泉や大分の温泉をはじめ、温泉地や団体、旅館だけではなく、温泉愛好家からもこれまでのなじみがある温泉マークは残した方がいいのでは?という意見が多く集まったことから、現行のマークと、外国人の誤解を招かぬようにするため併記も検討されましたが、結局選択制ということになりました。

まだ実際に新しい温泉マークを採用しているところは多くないのですが、金沢や長野、京都をはじめ、外国人の方が多い町の温泉では、実際に使われはじめています。

日本ならではの温泉入浴文化。2020年五輪・パラ五輪で来日する多くの外国人に、この素晴らしき日本ならではの温泉を上手に伝え、来日での温泉入浴体験をきっかけとなり、「温泉があるからまた日本に行きたい」と言ってもらえるようになったらいいな、温泉ファンが増えて欲しいなと思います。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。