3 白骨温泉 小梨の湯笹屋
独自源泉 36リットルを各浴槽12リットルずつ利用、33.3度 総計2132 HS 6.2 H2S 17.7 薄白濁、えぐ味、硫黄臭多め 内湯が析出物多し、白樺林をバックにした露天風呂も良い。
白骨温泉は過去に湯元斉藤旅館や泡の湯が朝日旅行会の秘湯を守る宿に入っていたが変遷が多く今はこの笹屋が入っている。本棟造りの宿で煤香庵と同じ形の外観である。内部はきれいに改修され落ち着いた旅館になっている。
木造3階の外観 |
湯量が少ないが小さな露天風呂と男女別の内湯に適量掛け流しで使っており必要十分である。温度がないので熱交換機で加温している。そのため硫黄臭が良く残っていて、良い感触である。
白樺林に囲まれた露天風呂 |
総硫黄は23.9mgであるがちょろちょろと足される湯量のために熟成され白濁している。白骨の名前のごとくアイボリー色の析出物が浴槽に厚く析出し陶器のようになっている。これは炭酸を含む重炭酸土類泉の特徴で全国の析出物の多い温泉共通の状況である。析出物は炭酸カルシウムで要するに大理石と同じである。
まさに白船の浴槽 |
露天風呂は白樺の林を背景にした小さなもので湯口の硫黄臭が雰囲気を高めている。内湯は立派な木造建屋で、うろこ状に付いた析出物が興味深く、たくさん写真を撮った。
天井の高い白濁した内湯 |
成分は含硫黄―重炭酸土類泉(S-CaMg-HCO3)の33.3度でNa 80.7 K 25.8 Ca 213.4 Mg 63.6 HCO3 1053 HS 6.2 H2S 17.7 CO2 504.8 総計2132となっている。宿は本棟造りの2階一部3階建てで風雅なものであった。
骨のような析出物は奇麗である |
4 渋沢温泉 ウッディモック
アルカリ性単純泉 32.4度 透明、少甘味、無臭 つるつるの湯 Na73.3 HCO3 60.3 CO3 35.1 源泉入れ放し、浴槽内加熱循環
名前の通り洋風の外観 |
奈川村のスキー場に併設された温泉施設。いくつかの宿やペンションにも引き湯されている。しかし日帰り温泉施設として、ウッディモックなる洋風の外観の温泉があるので入浴した。蒸発残留物207mgの清澄な源泉であるが成分が重曹系であるのでつるつるした存在感ある湯であった。
つるつるのきれいな湯 |
シンプルな四角いタイル貼りの内湯が1つのみで32度の源泉を入れ放しにしながら浴槽内部で加熱している。比較的良い使い方である。透明、少甘味、無臭でつるつるありと記録した。PH 9.56 Na 73.3 F 18.1 HCO3 60.3 CO3 35.1という分析である。CO3の比率が高いためとろみがある泉質であった。
5 奈川温泉 富喜の湯
露天風呂 半循環 内湯 掛け流し モザイクタイル浴槽 純重曹泉 46.2度 総計2302 Na 435.4 HCO3 1331 CO2 231.9
木造の外観 |
奈川村では役場の近くに新奈川温泉を掘削し、以前リフレイン奈川で入浴したが特徴のない湯であった。古くからの宿の富喜の湯は初めてである。
露天風呂は半循環 |
46.2度の純重曹泉で重曹以外の成分がほとんどない極めて珍しいものである。小さな露天風呂と内湯がある。露天風呂は加湯しながら浴槽内で加熱してると思われる。内湯は掛け流しでモザイクタイルの浴槽に湯が溢れていた。
良いのは掛け流しの内湯 |
個性は少ないがしっかりとあり、透明、少薬味+微炭酸味、少湯の香である。重曹泉ながらつるつるが弱く、やわらかい湯という程度である。分析表を見てみるとHCO3 1331のほかCO3は0であった。PHも中性の7.0である。
※この記事に書かれている情報は2004年8月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。
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