山口県の掛け流し名湯 4
山口県の名湯、長門湯本温泉から、俵山温泉に行った。独自源泉を持っている唯一のやど富士屋旅館のレポート。次に一の俣温泉に行く。つるつるの強い個性的な湯である。2軒の宿に入浴した。そしてやはりつるつるの強い秘湯、日野温泉に行く。
1 長門湯本温泉 原田屋旅館 泊
アルカリ性単純泉 33度 HS 0.3mg 総計174mg
加熱掛け流し、つるつるやや強し、良い湯 恩湯のほうが良い
木造の雰囲気のある宿。長門湯本で一番気に入った。
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| 原田屋夜景 |
恩湯の隣にある古びた木造3階建ての宿。長門湯本の温泉街を散策して全部の旅館を一通り見たがこの宿が一番風情があり私好みであった。本日ここに泊まって良かったと思った。
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| 掛け流しの男湯内湯浴槽 |
源泉は市有の3源泉の混合で33度のアルカリ性単純泉である。HSは恩湯よりも少なく0.3mgである。そのため硫黄臭は感知できなかった。しかしＨSiＯ3 60.8mg CO3 36mgでつるつる強しの湯であった。大きな楕円形のモザイクタイル浴槽に少加熱掛け流しで利用されていた。小さめな女性用浴室にも入ったが同じ使い方で評価は同じである。
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| 女湯浴槽 |
2 俵山温泉 温泉地再訪 富士屋旅館
町の湯、川の湯、森の湯以外の唯一の源泉所有宿。源泉はまさに川の湯のすぐ
対岸にあった。自噴少加熱掛け流しで、浴室風情絶品、木造宿の鄙びも良い
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| 温泉街のたけや外観 |
俵山温泉は38軒もの宿が集中し温泉街を形成しているが繁華街がなく、滞在して湯治を主体にしている温泉街である。日本中を捜してもここと青森の温湯温泉の2ヶ所くらいのものであろう。
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| 富士屋外観 |
さらに驚くのは宿に内湯がなく、運んで入れている宿が2軒（山口屋、坂倉旅館）ほどあるが、それ以外の宿は町の湯、川の湯いずれかの共同湯に通う。ある意味では貴重な温泉風土を持っている温泉である。その中で唯一源泉を所有している宿が1軒だけある。川の湯の対岸にある富士屋旅館である。
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| 木の外壁の宿 |
この富士屋の外観が木造の古い造りで立派であったので前回訪問したときに次の機会はここに泊まろうと思った。今回街を歩いていると「竹翠園たけや」という宿も木造3階で風格があり俵山屈指の良いものだと思った。
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| 独自源泉内湯 |
しかし茶色に染まった板壁の外観で風格のある富士屋は独自源泉を所有しており、離れの浴室棟に自噴浴槽がある。こちらはブロック造で個人専用温泉のような鄙びた外観である。浴槽の底には岩が露出しその近くから自噴湧出しているそうである。しかしボイラーを通し少しだけ加熱しているそうである。38.5度のアルカリ性単純泉でPH 9.8である。山口県の清澄な単純泉はつるつるの湯が多いが、この湯もつるつるやや強しである。小さな岩風呂が底で男女繋がって１つのみの小さな浴槽である。その浴室の造りと宿の風情が素晴らしい。共同湯「川の湯」のすぐ前で独自源泉があるという恵まれている宿である。
3 一の俣温泉 大衆浴場
29.1度 アルカリ性単純泉 総計236mg カラン自在 ボロ共同湯。
透明、少甘味、無臭 CO3 54.05mg つるつる強し HS 7.03は感じず。
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| 古い外観 |
山口県の数多いつるつる温泉の中でも、この一の俣温泉が屈指のつるつる温泉であろう。トロミを感じ「つるつる強し」と記録した。この大衆浴場はかなり鄙びた施設で外観のモルタルは黒ずんでいる、内部の脱衣室は古びている。
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| ヒビ割れた内湯浴槽 |
しかし圧巻のボロさは浴室で、床のモザイクタイルは割れが至るところに入っているし、浴槽はタイルがボロボロに剥がれている。驚くボロさであった。湯は源泉カランと加熱カラン自在で自分で温度調節する使い方である。しかし湯をケチって半分しか溜めていない。これで500円とは高いと思った。
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| 湯が半分しか入っていない |
しかし湯は強力なつるつる感で素晴らしい存在感である。分析内容を見て驚く、HSが7.03mgも含有されているではないか、しかし硫黄分は感知できなかった。また特記成分はOH 1.43mg CO3 54.1mgである。HCO3よりもCO3がメインの炭酸ナトリウム系の単純硫黄泉である。
