福島県浜通りの鉱泉群
福島の浜通りは最南部にいわき湯本温泉が毎分5000リットルほどの湯量を誇って盟主になっているが以北は大きな温泉地がなく、小さな鉱泉宿が点在している地域となっている。またいわき市内および近郊には湯本温泉のほかに鉱泉が多数点在し30ヶ所にもおよぶ一大鉱泉地帯ともなっており、過去にすでに4,5回足を運び、廻ったがまだいくつか残している。記憶に残るのは高野温泉の出戸の湯であろう。鄙びた建物とつるつる強しの湯であった。また湯量多い折木温泉やつるつるの久ノ浜鉱泉や立派な建築の玉山鉱泉、鄙びた吉野谷鉱泉、錦鉱泉などが記憶に残っている。難読の銅谷温泉や白米鉱泉、硫黄臭のある神白温泉、国元屋など数え出すと限りが無い鉱泉群がある。しかし北部相馬市から楢葉町までの広い地域が未湯になっており、このたび一網打尽にするべく廻ってみた。
1羽黒湯鉱泉
比較的新しい内湯 |
透明、無味、無臭 規定か?
山中の一軒宿
羽黒湯は羽黒山のふもとにある鉱泉で相馬市の北部で宮城県境に近い山中に有る。未舗装路の終点に小さな民家のような鉱泉宿があり透明、無味、無臭の湯が加熱循環されていた。カラン自在は好感した。比較的新しい浴室で綺麗なタイル張りの浴槽であった。規定泉かは不明であるが傷に効く湯として昔からあったそうである。
2斎川鉱泉
入口にある古い棟 |
透明、無味、無臭 弱いすべすべ感あり 加湯自在 23度
これぞ日本の鉱泉宿
峠を越すと宮城県丸森町である。ゆるやかな田園風景のなかにひっそりとある鉱泉宿が斎川鉱泉である。アプローチの路が絵本の一画面のような美しさで冬枯れの山とゴルフコースのように起伏する畑や小川が美しい。鄙びた別棟が印象的な小さな宿に到着した。すぐ前が滝になっており滝見の温泉といったところである。
渓流の見える内湯 |
総計820mgの単純泉との記入ながら23度しかなく何による規定かは不明である。透明、無味、無臭であるが弱いすべすべ感がある。加湯自在は良い。竹薮や渓流のほのぼのとした風景が落ち着いている。桜の木があり春の時期は良いであろう。これぞ日本の鉱泉宿と命名したくなる風光であった。
3青葉温泉 旅館青雲閣
36度 単純泉 透明、無味、無臭 循環 加湯自在
斎川鉱泉の下流にある一軒宿の温泉宿、古い分析表によると明治25年では36度の単純泉とされていた。透明、無味、無臭の循環、カラン自在の鉱泉定番の使い方である。比較的新しい宿で浴室も新築の綺麗なものであった。弱いすべすべがある湯であった。
庭を眺める内湯 |