25国吉温泉 鄙び強烈、木造三階 湯も加湯自在で気に入る
銭湯のような営業ながら「とやまいい湯ガイド」にも掲載されていない秘湯。昔岩坪鉱泉という記憶があるがここと同じであるかは不明である。入口は昭和の戦後すぐか、それ以前の古い造りの木造モルタルの入口である。古さを感じる意匠が貴重なものである。脱衣室はかなりの鄙びで特に記するものはないが、全体から醸し出される雰囲気が古さを表現している。裏口の外に出てみると木の外壁が朽ち果てそうである。裏手は木造3階建てになっていた。仏像も奉ってありレトロな雰囲気は圧倒的である。2階の外壁はほとんど壊れているのでブルーシートでふさいであるというボロさ(失礼)である。湯は総計2689mgの土類重曹泉で18.6度である。薄茶色濁り、重曹エグ味+渋鉄味、無臭と記録した。重曹の感触がはっきりとわかるよい湯である。源泉のコックがあり加湯自在になっていて好感した。源泉溜め加熱式であるので源泉を新たに入れることができるので良いと思う。浴室は古いがタイル貼りのしっかりしたものでヴォールト型の天井にトップライトのあるものである。2階は宿泊室であった、階段を登ってみたが明らかに数年使われていないのであろう。埃が層をなして堆積していた。
26岩坪水路脇源泉 垂れ流し水路に入って(膝までの深さ)浴びる
重曹味の中に、炭酸味あり、25度ほど
地元民に温泉のことを聞いていて発見。
野湯8
国吉温泉近くで地元の方に温泉のことを聞くと、親切な人で、いろいろと面白い話しを聞かせてくれた。立派な建築が残り、廃業が残念な頭川温泉は、おかみが強力な人だったそうで「おかみは聞かんが、お湯は効く」と近隣で言われていたそうだ。気にいらない客は返してしまうそうだった。また岩坪は温泉が出る地域で「ほかにもある」とのことで案内してもらった。井戸を掘ったらぬるい湯が出て現在は未利用のようである。水路に捨てられていた。コップに汲むと赤い析出物が底に溜まった。重炭酸土類泉であろうか?透明、重曹味+弱い炭酸味、無臭と記録した。国吉温泉と同系の湯であろう。しかし驚いたのは新鮮なので弱いが炭酸味を感知できたことである。重炭酸泉には炭酸が100mg前後含有されていることが多くそんなものかなあ?と推測した。水路は田植えの時期で水量が多いが膝下の深さで、ざばざばと水路に入って上から落ちる源泉を浴びた。新大鰐温泉の垂れ流しと同じ格好である。