山陰の名湯2は山陰の名湯、温泉津温泉から始まる。元湯が有名であるが、すぐ向かいの薬師湯も使いこまれた味わいがあって良い。
その後つるつるの有福温泉に行って宿泊する。さつき湯となりの木造3階の三階旅館である。続いて美又温泉、旭温泉に再訪し個人宅の温泉がハイライトである。
13温泉津温泉 薬師湯 (再訪)
元湯よりあっさりしているが、それでもかなり良い
夕景の温泉津の街はレトロな風情をさりげなく現出していて、観光地用に造られた妙に入れ込んだ演出されたレトロさとは違い、落ちついた情景である。
さっそく温泉に入る前に即席カメラマンとなり、三脚を抱えて仄かな街灯に沈んだ街並みを、バルブ撮影することにした。
長命館が良いが、次に吉田屋も木造3階で風情がある。次回は吉田屋に泊まってみたい。
元湯と薬師湯の間にある洋館が人気が無く不気味だ、白亜のファサ-ドが闇に白骨のように浮かんでいていつも不思議に思う。薬師湯の付属施設とも思うが単なる廃屋とも思える。
さて元湯は最近通販生活の共同湯特集で3回目の入浴をしたが、薬師湯は12年ほど前にGSX刀1100で来て以来の久しぶりの訪問である。成分的には総計8100mgの含石膏食塩泉(NaCa-Cl,SO4)である。
CO2は728mgで山陰特有の炭酸を含有した食塩系の湯である。温度も46度と適温である。元湯よりやや個性はマイルドであるが楕円形の浴槽に掛け流しで入れられなかなか好きだ。透明、塩苦味+炭酸味、少かつおぶし臭である。浴槽周囲は黄土色の析出物でコテコテに固まり風格のある浴槽となっていた。良い温泉である。
14有福温泉 三階旅館(温泉地再訪)
宿は良い。温泉は循環
有福温泉は御前湯とやよい湯に遥か以前に過激な温泉巡りの途中、短時間入浴をしたのみで、この歴史ある立派な温泉地に対し、不遜な扱いだなあと思い、年々気が引けていた。
さて再訪の旅であるのでここに泊まり、この良いであろう温泉地を良く観察して評価したいと思っていた。宿の選択は電話帳のような長年愛用のJTBの「温泉旅館案内」で木造古い宿というので予約してみた。
しかしあとで思い浮かべるとショトルトラベルの「木造3階の宿」に掲載の宿であった。食事が部屋食で諸所に花が生けてある繊細な宿であった。そしてさつき湯の隣という良い立地でよかった。
有福は透明、無味、無臭の単純泉であまり個性はないがアルカリ性が高く石鹸で洗うとつるつるが取れないタイプの湯であった。宿はうまく改修されており古い良さと綺麗な造りを折衷させている。翌日3ヶ所の共同湯巡りの後に旧態を残す3階部分を見せてもらったが古い造りも残しており良い宿であった。温泉街を見て廻ったがここを越える宿は無く、またいつか10年ぶりくらいに再訪したい。