温泉/九州の温泉

京町温泉,吉松温泉,雪松温泉,般若寺,鶴丸温泉 鹿児島と宮崎の湯6(2ページ目)

宮崎郊外からえびの方面に行きます。温泉の密度の濃い京町温泉から再び鹿児島県に戻り吉松温泉に行き、その後霧島山に登ります。京町温泉や吉松温泉は名湯続出で良い地域でした。

執筆者:郡司 勇

2 京町温泉 山麓温泉 

 昨日、女将に「変わったところは?」と聞くと城山とか原口という既湯が挙げられた、もう一つ挙がった山麓温泉は知っていたがまだ未湯であったので訪れる。「色が濃いよ」とのことである。行ってみるとその佇まいがシンプルで良い。一般的民家のようである。中には山元をさらに少しだけ濃くした温泉があった。しかし順にグラデーションを持って強くなる モールの感触にここでは既にモール泉と言ってよいであろう。薄褐色、少苦味、少油臭+モール臭のさりげない良い湯であった。 油臭とモール臭の混合するのがわかったような気がした。匂いが記憶に強く良い湯の条件は匂いが占める割合が高いと思った。 双方ともなかったが分析では山元とここではほとんど同じであろう。色は山元ともほぼ同じである。 吉松温泉などに比べると薄いものであるが京町では出色のものと思う。

3 吉松温泉 雪松温泉(再訪)

 般若寺に行こうと思ったら、雪松温泉が見えあまりのなつかしさに寄ってしまった。なんか改修されたような気もするがされてないような気もする。小さな共同湯で別棟。コーヒー色透明、苦味、微油臭。 掛け流し。単純泉 66.7度 吉松に入ると温泉はずっと存在感を増す。大量の掛け流しで床一面に湯が流れ去っているのは嬉しい。

4 吉松温泉 般若寺温泉(再訪)

美人若女将に昔からずいぶん変わりましたねというときょとんとしている。その後嫁入りしたのであろう。細長くつづく家族湯の奥に鄙びた共同湯があったのである。薄灰色の湯で重曹エグ味、金気臭+少油臭で総計1313と薄いながらなかなか良い湯ではないか。昔の写真も記憶も透明である。経年変化で個性が増えるとは面白いものだ。分析表をみると重炭酸土類泉ではないか。弱食塩泉と思っていたが認識を改めた。

5 鶴丸温泉  

総計1176の純重曹泉で65.8度。黒湯に近いモールで濃赤褐色、少苦味、土の香り(モール)有機物6.4mg分析表で東京以外で久しぶりに有機物(腐食質)の数値を見た。写真にすると紅茶のように写りたいへん美しい。つるつるするし掛け流しだし良い温泉の見本のようである。しかし熱すぎて湯量をそうとう絞っているのは残念というのは贅沢な望み。

6 原口温泉  (再訪)

鶴丸をやや濃くした感じの黒湯のモール泉。73度。加水なしで温度を下げるという説明があり好感する。濃い赤褐色、苦味、鉱物油臭である。鄙びた浴舎も風情を盛り上げている。仮説だがモール臭が濃くなっていくと油臭に近づいていくような気がする。つるつるもやや強しで総合的な評価ではこの辺で一番良いと観察した。
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