北海道に行った。道央で記憶が薄くなった温泉の再訪と新規いくつかを廻った。北海道は私の温泉めぐりの原点で現在350温泉地ほど廻っているがもう一巡りしたいところだ。掛け流しまたはカラン自在の温泉が多く、良い温泉続出で印象は深い。また夏の機会に金花湯や馬場川、大湯沼、川又などの野湯巡りをしたいと考えている。
4月
1.S温泉 鉱泉
稲竜神山や犀末温泉を思い出すバラック
千歳の郊外にある日帰り専用と思われる温泉。鄙びた民家が温泉になっており含硫黄重曹泉(推測)の鉱泉を薪で沸かしている。ここで驚くのが建家の周囲に積まれた材木群である。薪として使うのであろうが解体業か廃棄物業のような廃材の集積の中に小さな民家が建っているといったほうが合っている状況である。浴室は手作りの木の浴槽があり横のカランから源泉を加湯自在にしてある。泉質は硫黄を含む重曹泉で薄褐色、鉱物味+弱たまご味、微硫黄臭というもの。近くの鶴の湯温泉に似ている物である。モール系の黒湯の重曹泉で弱いつるつるがあり更に飲泉するとたまご味が感じられるもので存在感はある。朝一番に訪れたので加熱中で温かったが入浴させていただいた。
2松原温泉 (再訪)
食塩泉と重曹泉 黒湯 温泉旅館松原
小さな温泉旅館で銭湯的な日帰り入浴がメインのような宿である。2つの源泉があり、33m掘削の重曹泉と110m掘削の食塩泉である。少し深く掘ると食塩泉になるという不思議な源泉である。重曹泉は25.4度の低張性微温泉で黒褐色で透明度5センチ、重曹薬味+微たまご味、わら臭である。食塩泉は27.5度の高張性微温泉で薄い黒褐色、塩甘味、無臭である。塩味によると高張性までには感じられないが小さな浴槽に分けられて入れられカラン自在が良い。重曹泉の浴槽は循環加熱であるがつるつるやや強しの入浴感のある良い湯であった。
3信田温泉 (再訪)
重曹泉 黒湯、東京の銭湯と酷似
国道沿いにある小さな温泉宿。外装は改修されたが12年前と変わらない小さな内湯のみの施設である。重曹泉の鉱泉で薄黒色(30センチ)、ほぼ無味、芳香の弱いモール臭と観察した。東京の黒湯に似ているがやや薄い黒さである、しかし匂いが芳香で良い。フミン酸などの生成物の違いであろうか?感触もつるつるしたものであった。
4長沼温泉(再訪)
強食塩泉 掛け流し
長沼町の緩やかな丘陵地の中にある温泉センターの温泉で大きなホテルと日帰り温泉センターが併設されている。総計20430mgの強食塩泉で51.8度である。透明、強い塩味、少臭素臭あり、と観察した。熱交換による源泉100%で利用されていると明示されているし、弱い掛け流しになっていて良いものであるがあまり印象に残らない。そういう源泉なのかまたはタンクなどの経過時間のためか不明だが、食塩泉好きには評価されるのであろうか?
5馬追温泉
透明、無味、無臭 HS1.7
林の中の小さな一軒宿で、車も止まっていないしやや鄙びた外観で一見廃業の感じもするが中は普通に営業されていた。湯は単純硫黄泉の5.9度で自噴とのこと。HS1.7、H2S0.3mgの含有量である。総計292mgの薄いもの。小さいが清潔な浴槽に循環加熱されている。透明、無味、無臭。
6由仁温泉
モール臭 つるつる 循環 ユンニの湯
由仁は中学生の時に蒸気機関車の撮影で良く行った駅である。このユンニの湯のある丘陵は素晴らしい撮影地で栗山から由仁を見て古山まで鳥瞰できるものであった。1つの列車に長い時間撮影ができるので望遠レンズで追ったものである。さてユンニの湯はその丘にある木造の大きな温泉センターである。外壁や内部などに木の質感を生かした造りで好感できる。温泉は総計1455mgの純重曹泉で18.1度である。CO3を42mg含有し、つるつるの浴感である。腐植質25mgを含み黒褐色(15センチ)の黒湯である。重曹による少苦味とモール臭(わら臭)あり。この匂いについて考察してみると松原程度のやや薄いものが良い匂いになると思われる。新潟のミオン中里や帯広の木野温泉なども芳香であったが透明度40センチほどのものであった。それと湧出温度が高いと鉱物的なノーブルなものになっていくとも思われる。ここはHS0.6mgも含有し匂いに混入していると思われる。循環が残念。