黄金崎で残照に包まれる
黄金崎の夕景。天気のいい日には南アルプスも望める |
西伊豆スカイラインだけで帰っても、それはそれで贅沢なドライブと思うけど、時間があるなら西伊豆の海辺へ降りてみよう。そのまま道なりに走っていけば土肥峠を過ぎ、まだ舗装の新しい県道411号だ。この道は自然保護に配慮して作られたこともあり、あんまり展望は開けないけれど走りやすい。天城牧場まで一気に走れば、緑の牧草地の向こうに宇久須の港が見下ろせる。
宇久須への県道410号は急なカーブが続くが、それでも昔よりはずいぶん整備されたし、すれ違いに困るほどじゃない。カーブミラーを見つつ、エンジンブレーキを使って下ろう。下りきったところが西伊豆町(旧賀茂村)の宇久須。R136を左に折れ、ほんの5分ほど走れば夕日の名所、黄金崎だ。
ここは海沿いの旧道が岬のところで行き止まりになっている。車の中から夕日を見ることはできないけど、ほんのちょっと登れば絶好の展望台。黄褐色に変色した岩肌は安山岩が変質したもので、夕日に映えて輝く景色から黄金崎という名が付けられたものだそうだ。西伊豆で夕暮れ時を過ごすなら絶対のおすすめポイントだ。
西伊豆町の浮島海岸。ここは国道から離れた袋小路なので、人も少なくて穴場。駐車場に停めたクルマの中から夕日が眺められる |
もっとも、西伊豆一帯はどこも夕日のきれいな場所ばかり。時間に余裕があるなら、のんびり海沿いの道を探検しておくのもいい。個人的におすすめなのは、西伊豆町ならもっと南の大浜海岸、浮島海岸、田子港あたり。逆に北へ土肥温泉方向へ向かって海沿いを走りつつ、適当なタイミングでクルマを停める作戦だっていい。大瀬崎を回り込むまでは、夕日を眺める場所には困らないだろう。
立ち寄り湯から夕日を楽しむ
最近になって整備された戸田の出逢い岬から、御浜岬を見下ろす。土肥から県道はやや狭いが、海沿いの崖の上を走っているから展望スポットも多い |
温泉に入って夕日を楽しめる場所だってある。なんといっても一番は西伊豆町の堂ヶ島近くにある沢田公園露天風呂。ここは数十mの断崖の上に建っていて、お風呂から真下に駿河湾の海と、そこを行き交う遊覧船が見える。温泉自体は半循環でちょっと塩素臭いけど、ここはそういうことを気にするとこじゃない。行ったことないならぜひどうぞ。
もう少し南、松崎町まで足を伸ばすならサンセットヒル松崎。もともと町営の宿泊施設として作られたもので、松崎の町と海を見渡す露天風呂は広くて快適。沢田公園は石けんやシャンプーが使えないけど、ここならOK。ただ、夕日の沈む瞬間を見届けるには、ちょっと角度がギリギリかも。
このほか、土肥温泉では日没以降まで日帰り入浴可能な宿がいくつかある。粋松亭、土肥ふじやホテル、湯の花亭などだ。泊まりの旅の下見を兼ねて、夕日の見える露天風呂をチェックしておこう。
帰りには沼津港で海の幸を食べまくり!
沼津魚市場そばにある丸天。こちらは20時45分ラストオーダー |
のんびり過ごしてると、西伊豆にいるうちに真っ暗。食事処もほとんどは閉店してしまう。だからといって帰りにファミレスというのもさみしいでしょ。それなら沼津港へ道草を。魚市場の近くに海の幸を味わえる店がたくさんあって、夜遅くまで営業している店も多いんだ。僕がよく行くのは魚河岸 丸天。メニューが豊富でボリュームがあるのがうれしい。行列ができてることが多いから、いっそ遅い時間のほうがいいくらいだ。他のお店も開発しなきゃと思ってるんだけどね。ここでゆっくり食事してから東名に向かえば、もう東京までは渋滞知らず。ちょっとぐらい帰るのが遅くたって、渋滞疲れよりはずっといいと思うよ。
■西伊豆町
昨年から「夕陽日本一宣言のまち」として、夕陽をテーマにした観光イベントを企画している。天城牧場や黄金崎など観光スポット情報も。
■伊豆市土肥観光協会
土肥温泉を中心とした観光の紹介、イベント情報など。