そもそも軽自動車とはなにか? 小さくて移動の足としてゲタ代わりに乗れるもの。そうした目的のために税金などで優遇される一方、大きさや排気量の制限も設けられた乗り物である。しかし、昨今のコンパクトカーブームで軽自動車はリッチ路線に走り、広く大きく使いやすくという傾向にある。そんな動きから原点に立ち返り、必要なものを必要なだけ活かして作られたのが『ツイン』というわけだ。

軽自動車で二人乗りというと先にあるメルセデスが手がけた『スマート』があるけれど、お洒落でラクシャリーな乗り物とするスマートとは、完全にコンセプトが異なるわけだ。

必要なもの、必要なだけという視点でカタログを眺めてみると、確かにそれは伺える。なんたって衝撃的プライスの49万円のクルマは、MTであることはもちろん、パワーウィンドーはなくパワステもない。いわゆる「手漕ぎ、手巻き、重ステ」というかつて言ったところの三重苦状態なのである。さらにはオーディオもなければエアコンもない! これらはオプションで付ければいいとして、ひとり乗りを想定したがゆえに、助手席にはエアバッグも付いていなければ、サンバイザーすらないという徹底ぶりである。ここまでくれば逆にお見事。シンプル生活そのもので、必要な人はオプションで付ければいいし、逆にプラモデルのように自分好みに仕立てるという楽しみも生まれようというものだ。

このツイン、49万円というキャッチのほかにもうひとつ、ハイブリッドというキャラクターも用意されている。もちろん軽自動車初のハイブリッド。これまでハイブリッドというと遠い存在のように思っていたユーザー層も、軽自動車のハイブリッドと聞けば身近に思うことができる。そういう意味では、価値ある登場だといえる。

乗ってみると、とにかく小さい。いや、乗る前から小さいのだが、乗るとさらに小さい。愛嬌のあるスタイルも可愛くて、ミニマム・コミューターとしての魅力は十分である。そりゃ確かに、トラックにぶつかったら簡単につぶれそうとか、乗ったときにぽこぽこ跳ねるとか、小さいゆえのネガ部分はある。でも、最初のコンセプトを思い出してみよう。軽自動車なのである。ゲタ車なのである。スクーターもいいけれど、雨風にされされるのはイヤという人の足になる乗り物なのである。その辺の割り切りはある程度、必要といえよう。