ドライブ/ドライブ関連情報

新車試乗エッセイ デミオの巻

白いキャンバストップをつけたデミオは、とってもスィートでお洒落です。

執筆者:岩貞 るみこ


「気は優しくて力持ち」。モデルチェンジする前のデミオはそういうクルマだった。とにかく広いラゲッジスペース。しかもその間口が低く、どの女のコに見せても「うわ~、広いですねえ、使いやすそう!」と、言われたものだ。しかし「優しくていい人」と言われる世の男性がときどきそうであるように、なんというかこう、お洒落センスが欠けていた。外見もデミオのエクステリアはいまひとつ垢抜けてなかったし、インテリアはもっとおじさんっぽかったし、それになにより、エスコートの仕方がぎこちないように、運転したときはシフトショックでぎくしゃくして、お世辞にもスマートなクルマとは言い難かったのである。

プリティウーマンのジュリアが洗練されるのにわずか一日というのは、いかにも映画のなかだが、でも、長い年月をかければ、このデミオのように驚くほど垢抜けることができるのである。初めて見たときは「あらまあ」と声を上げてしまうほどの変身なのだ。マツダのアイデンティティをしっかりと受け継いだフロントマスク。そしてリアスタイルは、テールライトの感じがとってもイタリアンな伊達男風である。もっとも、その下のオシリのあたりがぽっちゃりと肉厚なのがジャパニーズではあるけれど、それはご愛敬ということで。

デミオのいいところは、ボディが大きいのにウェストラインが低くてガラスが大きく、後方視界がよくて縦列駐車がしやすいというところ。今回はちょっと色気を出したぶん、リアウィンドーが少し高くなって後方視界が悪くなったけれど、悪くなったとはいえもともとが素晴らしくよかったため、他のコンパクトカーに比べると、まだまだとっても使いやすいレベルである。
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