台湾/台湾の観光

伝統芸能「布袋戲」の魅力に迫る【前編】(2ページ目)

ぽてひ。これは台湾の人形劇「布袋戲」のこと。台湾の伝統的な民間芸能、台湾が誇る布袋戲を前編と後編で紹介。前編では人形の役どころを、後編では身近に布袋戲を体験できるお店の紹介をします。

執筆者:阿多 静香


布袋戲の木偶の役どころ
布袋戲の木偶の役どころは大別して7種類あります。顔つき、メイク、衣装、動作など、違いを知ってから見るとより楽しめます。


「生」:ヒーローともいえるのが「生」。細かく分けると生には4種類あって、”武生”は武人肌、"文生”は文人肌、”童生”は子供のヒーロー、”老生”は年を取ったヒーローです。生の顔立ちはハンサムで、衣装も格好よいものがほとんどです。顔立ちは現代人に近く、衣装デザインも現代風だったりします。



「旦」:ヒロインを「旦」といいます。3種類あって、少女なら”小旦”、子供なら”童旦”、老女なら”老旦”となります(老女になると道化っぽいマヌケな役どころになります)。旦は才色兼備で、艶っぽいかと思えばかわいらしかったり、木偶でこれを表現するのが人形師の技の見せどころです。ストーリーを盛り上げるには欠かせない存在が旦です。



「淨」:ちょっと複雑な役回りが多いのが「淨」。いろんな性格が混ざっているのが淨で、台湾土着のストーリーにしか登場しません。また、いつも顔に化粧をしているのが特徴。黒、赤、青が代表色。


こちらも淨。顔の半分が黒色の「黒白郎君」という名前で、いつもドクロの馬車に乗っています。化粧の黒色は文武両刀を表します。ある時は善人、ある時は悪人という役どころです。



「末」:年長者で智慧と経験を備えたのが「末」。生(ヒーロー)に助言したり助けたりという役回りです。ヒゲが全部白髪なら”春公”、よぼよぼの年長者なら”白闊”といいます。



「丑」:お笑い担当は「丑」といいます。メイクも動作もセリフもユニークで、道化的な役どころ。声が高くてお調子者、ストーリーで笑いの場面を盛り上げるのに欠かせません。



「雑」:上記のどれにも属さないのが「雑」。意外にも孫悟空、猪八戒もここに属します。和尚さん、道士、妖怪などもここに属し、脇役なことも多いのが雑です。



「獣」:龍や獅子、虎は「獣」といわれます。忙しく立ち回り、吉祥を暗示する役としても登場したりします。



おおまかに木偶を紹介してみました。現代風の木偶は、オーダーメイドでマニア心をくすぐるアイテムでもあります。一方、昔ながらの木偶は扱いやすさだけでなく懐かしさも手伝って、子供におもちゃとして買い与えている親もいます。

では、後編は、布袋戲を身近に見て体験できるお店を紹介します。布袋戲の魅力にさらに近づいてみましょう。(後編に続く)


*関連リンク*
  • ガイド記事「台湾指人形劇<布袋戲:ぽてひ>を楽しむためにーー”ぽてひ”を知る」
  • ガイド記事「伝統芸能「布袋戲」の魅力に迫る【後編】」
  • ガイド記事「タイペイアイで、台湾文化を身近に体験! 台北戲棚で京劇を見る」


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