女性らしい丸みのある身体の魅力は世界基準
露出の多いワンピースもいやらしくなく着こなす彼女はもうすぐ40歳。丸みを帯びた女性らしい身体と表情は魅力的。 |
実際、夏になればこんがりと焼いてしまうイタリア女性の肌は、シミも多く、キメも荒く、手触りとしてはいかがなものか。と言ったところ。しかし、そこにバカンスで楽しんだ思い出や健康さが見えれば、ときには輝くようでもあり、質はともかくエネルギーを感じさせる肌は、その人の人となりと合わせて魅力的と表現されることもあります。そばかすだらけの顔でさえ、表情や健康的な肌質ならば、コケティッシュな魅力として好まれる場合もあるわけです。そのあたりは、徹底的に「こういう肌であらねばならぬ」といった狂信的な傾向はなく、他人の個性を認めて、魅力として考えるところに懐の深さというか、許容の広さを感じずにはいられません。
が、しかし、国籍問わず、どんな女性でも持っているはずの「曲線」に関しては、ちと厳しい目があります。
イタリアでよく耳にする日本女性に対しての評価は、総じて「痩せすぎ」。とある美容雑誌で「ぽっちゃり体型の方がイタリアでは好まれる」と書いたところ、編集部から「本当ですか?!」と疑惑に満ちたお電話をいただいたことがありますが、ええ、本当です。イタリアにもスレンダーな美女がお好きな殿方もいるでしょうが、えてして世の男性たちは、女性らしい丸みを帯びた身体に魅力を感じるものです。
太さの限界については、例えばタヒチあたりでは極限まで太っている方が魅力的と言われるように、それはそれで各国で多少の違いがありますから、日本人女性の痩せ方がイタリア人にとっては「痩せすぎ」と表現されるのもお国柄のせい。と言えなくもありませんが、丸み=美しい曲線を失うほど痩せているのは残念。女性ならば身体のあちこちに持っているものなのに、曲線と言うよりも骨のラインとなってしまっては魅力に欠ける。というイタリア人男性の意見は、そうはずれたものではないと思います。「カサッ」と音がしそうなほど痩せていて、骨ばったカリカリとした体型が、日本でも美の基準になっているとも思えませんし。
ほっそりしていても、なんとなく脂肪に覆われた丸みのある体型。ウエストからふくよかな腰にかけたカーブ、やわらかそうな太ももからふくらはぎにかけてのライン、そして、知性ある首筋から胸元へかけてのなだらかなつながり。そんな美しい曲線を身体のどこかに備えた形。それが女性らしさと美しさに対するグローバルスタンダードであると思われます。
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