今回はアモーレ(愛)の国、イタリアからのお話 |
イタリアは、伝統的に「女性は家にいて家事全般をこなすもの」という意識が根強く残っています。意外ですか? マンマの存在がクローズアップされるのも、そんな裏事情があってこそ。その見え方が、3歩下がって三つ指突いて的ではなく、「家のことは全て私が仕切っているのよ」と力強くなるのはイタリア女性ならでは。伝統を重んじながらも、そこに自分のアイデンティティを見出しているといったところでしょうか。
とはいえ、伝統意識の強い南イタリアや農村部では、昔ながらの専業主婦の割合も多い一方、都市部では、ほとんどの女性が働きに出ているのが現状です。経済的な理由もありますが、社会とのコンタクトを持ち続けていたい、経済的な自立でパートナーと対等でいたい、自己実現など、日本の働く女性たち同じ気持ちを持っています(Istatより※)。
※Istat/Istituto Nazionale di Statistica
お国変われば家事の分担方法も変わる?!
トリノでギャラリーを経営する夫婦。子供が二人もいるのにキレイを保っている奥さんに、ご主人はいつまでもメロメロ |
では、家事分担として男性が洗濯や掃除に、誰にでもできるけど面倒なゴミ捨てをするのでしょうか? ところがどっこい。イタリアでは、掃除やアイロンかけなど時間と体力が必要な部門は、専門のお手伝いさんに頼むのが当たり前。日本的な発想からすると「お手伝いさんなんて贅沢!」と思いますが、貴族文化が多分に残るイタリア。小学校でも放課後のそうじの時間はなく、掃除のおじさん(おばさんの場合もあり)がやってくれるものなのです。
1回2~3時間週1~2回のペースが平均的ですが、1時間あたり7~10ユーロ(1,000~1,300円位)。週1回月4回なら1万円以内で済むので、たいした贅沢というわけでもありません。鍵を渡して、適当な時間を決めて、勝手に入って掃除をしてもらいます。家の間取りと収入に余裕がある家庭なら、ベビーシッターを含めて住み込みといったケースも多々あります。忙しいからと言って、スーパーマンマが取り仕切る隅から隅までピッカピカの家で育った人たちには、家の中が雑然としているのは、許されない美意識なのでしょう。
さて、そうなると男性は何をするんでしょうか? 次のページでお話しましょう。