(2003年9月15日「ローマのバスってヤツは!(怒)」) ◆コラム~近況報告━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夏のバカンスも完全に終わり。 各人、ハイテンションでバカンス自慢もし尽くした今ごろは、 ボ~~っと気が抜けちゃうらしく「疲れた」とか「ウツ」を訴える人が続出。夏、燃え尽きて、秋、灰になる・・。
さて、人々も戻り、いつもの賑わいが復活したローマですが、 抜け殻状態の人々で、いつもより倍増した無秩序さがここにあります。 メトロやらトラムやら、公共の乗り物に乗ったりすると、 ローマ人の性質をよく知ることができるものですが、 バスもしかり。バス停で気が遠くなるほど待たされたり、 運転手が携帯でずっと電話してたり、そして・・・道を間違える・・。
ある日、夕食の後(つまり23時半ごろ)テルミニ駅から、 家の前を通るバスに乗ったときのことです。 「この時間はバスの本数が減るし、よかった。やれやれ」 後は家の前で降りるだけ、とホッとしながら窓の外を眺めていました。 バスはテルミニ駅からカブール通りを通り、コロッセオに沿って半周して、 チルコマッシモへ・・というコースをたどるはずなのですが、 コロッセオの脇の道に入ったと思ったら、ブォ~っと勢いよく直進。
あら?方向がちがーう!「乗るバス間違えた?」とドキドキしてると、 「やっべー!曲がるの忘れた!」と運転手のつぶやきが聞こえる。 前の方に乗っていたシニョーラが「あら、じゃ、この角で曲がりなさいよ。 ほら、今よ今よ!」と自分の息子に言うみたいに道を指示しています。 運転手は「ダメだよ、廻りきらないよ。参ったなー」と 言いながら直進を続けます。 遠ざかる・・コロッセオよ・・・。
最後は「ま、いっか。ちょっと大回りするよ。観光バスだね、こりゃ。 お客さん、得したね。は~はっはっは」・・・そうか?これは得なことなのか? ぐるーんとローマの街を大回りして、サンジョバンニ大聖堂、 カラカラ浴場をまわって、チルコマッシモに。 20分ほど余分にかけて元の道に戻ったバスでした。 もし、待ち合わせしてたら? もし、おなかを壊してて家のトイレに駆け込みたいと思っていたら?
ローマ夜景鑑賞バス(無料)となった車窓を眺めながら、 なぜか私は、日本で工事中をお知らせする看板の、 あの「ご迷惑かけてスミマセン」の黄色いヘルメットの人を思い出していました。 あの人(って絵だけど)が懐かしい。 ご迷惑かけてスミマセン。 ローマでこの言葉を聞いたことある人いたら、メールください。
9月15日 ローマにて