「憧れのイタリアで本場イタリア料理の修行がしてみたい!」料理好きな人、イタリア好きな人はもちろん、 イタリアンレストランで働く人ならなおさら、そんな夢を描いたことがあると思います。 今、ローマのレストラン「TERME DI DIOCLEZIOANO」で働く中瀬辰雄(33歳/写真右下)さんは、 そんな夢を実現した一人です。
29歳まで普通の会社員だった中瀬さん。転勤で訪れた長野・松本で「自然の中で暮らしたい」と、 転職を決意。この夢をかなえるためには何ができるか?考えた末、自然あふれるところでレストランを経営する、 と具体的なプランを打ち立てます。もともと好きだったイタリア料理のレストラン、自らが包丁を握るシェフになって、 その店を切り盛りする。20歳前後でシェフの道を志す人が多い中、30前の大決断です。
地の利のある名古屋、松本のレストランで料理人修行を開始。2年半後に調理師免許を取得します。 そして、いよいよ本場イタリアでの料理修行を決意します。 不安と期待いっぱいに資料を集める中、出合ったのがR&Aです。 オリーブオイルを使った料理や魚料理を学びたい、奥様と二人で行きたい、という希望を細かくレポートにして 提出。中瀬さんに合ったレストラン、仕事の合間に通う語学学校、住居の手配、海外旅行すら初めて、という中瀬さんをサポートし、 的確なアドバイスでイタリア行きを支援してくれたそうです。
2002年2月、念願のイタリアに到着。奥様と一緒にイタリア人家庭にホームステイしながら、イタリア生活を スタートさせました。朝からランチの仕込みにレストランに入り、14時から17時までの休憩時間に語学学校に通い、再びレストランに戻り、 18時から夜の仕込み、そして営業時間終了の23時まで働くというハードスケジュールでしたが、充実した毎日。 語学学校は3ヶ月で終了させ、その後はレストランで修行の日々。 この6ヶ月の研修期間に、洗い場、アンティパスト、セコンド、プリモまで一通りこなしました。 研修が終了した今はシェフの一人として調理場で活躍しています。
空いた時間で他のレストランなどを訪れ、メニューやお店の雰囲気、看板などなど将来お店作りに使いたいアイデアを収集。 レストラン経営者なら調理以外にも知らなければならないイタリアレストランの常識も、現地なら簡単に知ることができます。 6ヶ月間の研修期間終了後は、自分次第。レストランに残ってお世話になるもよし、他の町に移動して新しい味を習得するのもよし。 中瀬さんは、確実に腕に磨きをかけたと自負し帰国を選択。日本に戻ってレストランオープンへ向けての一歩を踏み出す予定。 2003年の開店を目指すそうです。
夢を目標に変え、29歳での転職。駆け足で夢の実現に向って突き進む中瀬さん。 夢は夢に終わらせずに自分で実現するものなんだ、という強い意志とパワーを感じました。 中瀬さん程明確に先の目標が決まってなくたって、 人や職業、色んなモノに出会っていく中でゆっくりと先の人生を決めていく方法だってあります。 何かを始めたい!という方、とりあえず始めてみるのも一つの方法かもしれませんよね。
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