ニューヨーク/ニューヨークの美術館・博物館

日本人建築家の意匠が光る美術館が話題!(3ページ目)

ロウアー・イースト・サイドに満を持してオープンしたコンテンポラリー美術館、その名も「ニュー・ミュージアム」はこの界隈をさらにアーティスティックな場所へと昇華します。その内容とは?

小松 優美

執筆者:小松 優美

ニューヨークガイド

おいしいトコどりの見所を厳選!

昼間とは異なり、夕刻時はノスタルジックな気分にさせてくれる。
さて、建築以外に注目すべき見所は、7階にあるイベント・スペース。天井高のガラスの向こうには、バワリー地区の景色が一望できます。晴れ渡った天気の日よりも、ちょっと曇った日の眺めのほうが、少しダークなイメージが残るロウアー・イースト・サイドの眺めにはぴったりでしょう。イベントがない時は展望フロアとしても利用できるので、是非この絶景を鑑賞してみて下さい。

ちょっと小さすぎる? と疑問も生まれるショップ。
そして上階から作品を観つつ1階に降りてきたら、ミュージアム・ショップへ。あまりの規模の小ささにちょっと落胆してしまいますが、商品のラインナップはダウンタウンのコンテンポラリー美術館という場所にふさわしく、ファッション性の高さが目立ちます。写真集は、テリー・リチャードソン(大胆かつ過激な作風がカリスマ的人気を誇る)やシンディ・シャーマン、荒木経惟といった、若者に特に人気のある現代写真家によるものが占拠。トートバッグ、Tシャツなどは、いわゆる通常の“ミュージアム・ショップのお土産”という佇まいではなく、ファッション・ストアで取り扱っていてもおかしくないデザインです。

全館通して無機質なイメージだが、ここははっとするほど鮮やか。
お腹いっぱい館内を堪能したら、帰る前に地下のトイレへ。この階のトイレのみ、壁が鮮やかなモザイクで彩られているのです。このフロアにはシアターもあるため、ちょっと混んでしまいそうなのが難点ですが、芸術的なトイレで美術館の締めくくりを迎えてみては?

美術館全体的な見解としては“現代美術ゆえ”として片付けてしまいがちなテーマ、作品、建築……と奇をてらった感が目立ちました。今まで訪れていたメトロポリタン美術館MoMAなどとは一線を画し、あざとさまでも匂わせる、新しい美術館づくりへの意欲はそこかしこに感じられます。新しモノ好の方や、NYのトレンドをアートからチェックしたいという方には向いているかもしれません。さて、あなたはこのニュー・ミュージアムをどう評価しますか?

<DATA>
ニュー・ミュージアムNew Museum
  • 所在地: 235 Bowery

  • 電話: 212-219-1222

  • 最寄り駅: Spring Street

  • 入場料: 一般$12

  • 営業時間: 水、土、日12:00~18:00 木、金12:00~22:00 月、火は休館
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