平賀昭子さん(通称アコさん)はギャラリーなどが多いソーホーのお洒落なエリアにあるバニヤンシティースパ(Banyan CitiSPA)で働く若くてかわいいネイリスト。ネイリストといえばNYには、チャイニーズやコリアンなどアジア系が多い。しかしアジア系でも日本人ネイリストはそんなにいないようだ。ネイリストといえば日本ではアーティストや技術職というイメージだが、NYだと扱いがちがうらしい。彼女がネイリストとして経験を積んで知ったNYネイル業界の現状や、ネイリストの舞台裏を語っていただいた。
アメリカでネイリストになるにはライセンスが必要
ギャラリーが多いアートなソーホーエリアにあるスパで働いているアコさん |
なぜネイリストになろうと思ったのですか?
アコさん:
アパレルの仕事をしていたこともありましたが、ずーっとネイルに興味があったんです。爪の形などにコンプレックスがあったせいかもしれません。
日本では、アルシオネ(渋谷にあった)というネイリストの養成学校へ行きました。日本のネイリストは検定があるのですが、特別なライセンスは必要ありません。それに対してアメリカでは、必ずライセンスが必要になります。当時カリフォルニア州サンノゼに、この学校の姉妹校があったので渡米することになりました。
学校へ5ヶ月ほど通ってアメリカでのライセンスを取得し、日本へ戻りました。
ガイド:
アメリカのネイリスト養成の授業では、どんなことを勉強するのですか?
アコさん:
技術ももちろんありますが、技術とは別で、爪の構造や名前、病気、骨のしくみ筋肉などに関することも学ばなくてはなりません。医療知識とまではいかないかもしれませんが、マニキュアに関する化学や薬品についてとか、細胞についても学びます。マッサージなどもサービスに入ってるので、ある程度知っておかなければならないのだと思います。
ガイド:
医学や化学を学ぶだけでも難しいのに、さらにそれが英語だったりすると、とても難しかったのでは?
アコさん:
日本の提携校だったからか、日本語通訳の人がいました。暗記ものも多いので、とにかく記憶していきましたね。
その後日本へ帰ってからは、日本で個人で行ってるネイルサロンを5年ほど任されました。
ガイド:
5年も同じところで働かれていたなんて、すごいキャリアですね。
アコさん:
ネイリストは数年で職場を移動する人が多いので、キャリア的にはすごいのですが。同じところに長い間いると、勉強不足にはなりますね。ネイリストって、働く場所を移動してる人の方が、情報やコミュニティーは広がります。
雇われオーナーみたいな状態だったので、自分の思い通りにできる分、競争の場はなかったです。それでも、雑誌や撮影の仕事などはきていました。
今回ネイル初挑戦の私。アコさんからフレンチネイルにしてもらった。次のページへ。