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NYで活躍するバレエダンサー(前編)(2ページ目)

ダンサーとしてミュージカルで活躍しながらも、一般の人にバレエを指導する新美由見子さんにインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵

バレエは言葉がいらない?

バレエ
ダンスしている写真をとるのは、劇場などではタブーなので、写真が少ないらしい (c)Yumiko Niimi
ガイド:
語学力は現場で身につけたのですね?

由見子さん:
そうです。それでも、バレエは言葉がいらないからいいですよね。音楽にのれることと表現力さえあれば周囲とコミュニケーションがとれる。NYシアターバレエのディレクター、ダイアナ・バイアーや振り付け師のキース・マイケルが気に入ってくれて、いろいろなものに出演させてくれました。とにかく、この頃から、バレエをやっていて楽しかったです。地方公演も多かったです。アメリカ中西部を移動したり。はじめての経験だったので、それもまた楽しかったです。

演出家ジャムジーとの出会い

ガイド:
アメリカの地方では、どんな人たちがバレエを見に来るんですか?

由見子さん:
おばあちゃんが多いところや、子供のためのプログラムもあったりします。観客の層は、ブッキングカンパニー(チケットを手配してくれる企業)によると思います。

今年の6月、セントルイスミュウニーというアメリカで最も古く最も大きいといわれる野外劇場で『王様と私』のイライザ役を、演じてきました。毎晩11,000人の観客が入りました。ほとんど家族連れでしたね。NYTバレエ団時代はオーケストラで踊ったことはありませんでしたが、ここでは28人構成のオーケストラでした。私が踊る前に息を吸うのと、指揮者が棒を振るうのと、あうんの呼吸で音楽がはじまるんです。その28人の呼吸が一つの音楽にかわっていくんです。ものすごく気持ちいいんですよ。

私をこの舞台に呼び戻してくれたのは、ジェムジー・デ・ラップ氏。アグネス・デ・ミルのプリンシパルダンサーとして『オクラホマ』『回転木馬』『ブリガドューン』など、数多くのブロードウェイミュージカルにオリジナルキャストとして出演し、『王様と私』ではキング・サイモン役でユール・ブリンナーとともに舞台、映画にも出演したという方で。とにかくすごいエネルギーの持ち主で、私の憧れの人です。

ジェムジーと初めて出会ったのは、7年前。私がシンガーとしてオーディションに行ったときです。後から私のレジュメ(履歴書)を見て「ダンサーでもいい?」と聞いてきて(笑)。今回の公演中ジェムジーに認められて、「YOU should replece me」と言われた時には 感激で言葉に詰まってしまいました。「彼女がつくりあげてきたものを、次の世代に伝えて欲しいから、全てを台本などに書き込んでよく覚えておくように」と言われました。だから大変なのはこれからで ジェムジーから教えてもらえることは、この2、3年ですべて勉強しなければいけないなぁと思っています。



【インタビューの途中で】
バレエに無知な私だったため、後からネットで調べてみて、由見子さんの経歴に改めて驚かされた。彼女は、キャリアを驕ることなく、それでいて凛としている、とてもステキな方だった。それは、彼女にバレエを教わっている生徒さんの感想からもうかがい知れる。

【生徒さんからの感想】
由見子先生のレッスンの特徴は、何といってもじっくり丁寧に教えて下さることです。毎回殆ど同じ動きのレッスンで、順番を気にせず体の使い方に集中できるのも、大人から始めた私にはぴったりでした。名前を覚えてくださり、一人一人、小さなステップに分けて指導していただけるなんて、日本で習っていた時にはなかったので、NYで先生のレッスンに出会えてよかったと思っています。

新美由見子さんのバレエクラスのスケジュールなどがわかるサイト

<後編>では、由見子さんが、オーディションに落ちたときにどうしたか?という具体的なバレリーナへの道を語っていただいたり、バレエでシェイプアップ?!痩せたい人に、とっておきの情報満載です。

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