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GAPのベビー服もデザイン! NYで絵本を描く日本人女性~前編(3ページ目)

Gapのベイビー服のプリントデザインやイラストをはじめ、いまや夢だったアメリカの絵本のイラストレーターとなった日本人女性にインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵

「やってきたテキスタイルの仕事って、絵本の仕事にも役立ちました。まずテキスタイルつまりファッションって、やってるとトレンドの2~3年先の情報がわかるんですね。同じように絵本にもトレンドがあって、イラストのカラーやデザインがトレンドにのってないと売れないんです。しかも絵本ってイラストを描いてから、書店に並ぶまで1年以上かかるので、その時のトレンドで描いてたら遅れをとってしまう訳です。

絵本の仕事ばかりしてるとトレンドが読めなくなるので、そろそろテキスタイルの仕事もしようかなぁ~と考えてるほどです。とはいえ、ベイビー服は一瞬だけど、本は後に残るので、やっぱり本の仕事のほうが好きなんですよね」

絵本を描くイラストレーターの密かな楽しみとは?

「絵本のイラストを描くときには、基本的に自分が好きなものを描いてるだけで、子供がそれを好きかどうかはあまり考えてないですね。考えてしまうとかえってよくないんだと思います。どの時代にあってもいいようなものをつくりたいですし。テーマも普段の生活のものがいいんです。

最初に描いた本がお爺ちゃんと子供のイラストだったせいか、それからも、お年寄りが出てくる絵本の仕事がたくさんくるようになってしまって。本来は、動物ものを描きたいんですけどね。ファッションとか時代にとらわれなくて、イキの根が長いし、子供が大きくなっても心に残るかなぁ~なんて。絵本って、子供と親が一緒に楽しくすごしたり、子供とママの思い出になったりするものですから。

あと絵本のイラストを描いてるときの私の密かな楽しみっていえば、自分が小さいときに使ってたオモチャや帽子、お母さんの手編みのセーターなどを入れることです。この絵本にあるサクランボのついた帽子など、子供のころにお母さんがつくってくれたものなんですよ。私と同じように、こっそり自分のモノをイラストに入れて楽しんでるイラストレーターは、たくさんいるようです」

子供のころに母に編んでもらったセーターや帽子って、たしかに、いつまでも記憶している。やはり既製品でない、心のこもったモノというのは子供心を刺激するのだなぁ~。ヒロエさんにとって思い出深いモノは、さらに絵本の中でもイラストが輝いてるように感じた。きっとそれは、絵本を見る子供たちの心にも、語りかけるのだろう。

後編では、NYでイラストレーターを目指す人たちへアドバイス!若いアーティストは、アメリカの方が日本よりもチャンスが多い?!

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